カニクイザルを用いて第3、第4肋間神経を剥離し、上腕二頭筋の支配神経である筋皮神経に神経移行手術を行った。移行手術後10ヶ月後に上腕二頭筋、上腕三頭筋、手術側第5肋間筋、三角筋に筋電図記録のためにステンレスワイヤー電極を留置した。動物が安静状態では肋間神経移行上腕二頭筋からの筋電図には呼吸性の弱い筋電図活動が見いだされることがあるが、肋間神経移行上腕二頭筋を使って、随意運動を行えるようになることを見出した。二酸化炭素を吸気に付加すると呼吸性の筋電図が変化することから、肋間神経運動ニューロンへの呼吸性シナプス入力は完全には消失していないことが分かった。
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