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2012 年度 実施状況報告書

脳の可塑性を促す新しい摂食・嚥下リハビリテーション法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500606
研究機関九州歯科大学

研究代表者

吉野 賢一  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (90201029)

研究分担者 河岸 重則  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20137334)
田中 敏子  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50137337)
下堂薗 恵  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
キーワード脳・神経 / 可塑性 / 近赤外分光法 / リハビリテーション / 舌運動 / 方向選択性
研究概要

本研究は、舌突出運動が脳の可塑的変化を促進する基礎的研究をもとに、摂食嚥下リハビリテーション法を開発することを目的としている。前年度までに使用していた視覚刺激呈示システムから、より汎用性の高い画像刺激呈示システムプログラムソフトを用い、視覚手がかりによる方向選択性舌突出課題を完成させた。遂行中の被験者において、前頭前野の賦活あるいは可塑的変化を光イメージング脳機能測定装置(Spectratech OEG-16)により測定する。
課題シークエンスは以下の通りである。① 課題開始の後、被験者の眼前のディスプレイに黄色の中央点が提示される。被験者は課題遂行中、常に中央点を注視し続ける。② 中央点提示の2秒後、中央点から上・下・右・左のうちランダムに選択された1カ所に、白色の指示刺激が提示される。③ 被験者は指示刺激が提示された方向に舌を突出させ、指示刺激が提示している2秒間、舌を突出させた状態を維持する。④ 指示刺激の消灯により、舌を口腔内に戻す(これで1試行が終了し、3秒間のインターバルの後 ①に戻る)。同一被験者において、同じ視覚刺激を提示し、指示刺激の方向とは無関係に、常に舌を前方へ突出させるコントロール課題を行わせる。課題およびコントロール遂行中の脳活動の差分をとり、方向選択性舌運動による脳活動の賦活について検討する。本課題の遂行は、健常者のみならず摂食・嚥下障害患者においても負担のかからないものであり、摂食・嚥下リハビリテーションへ応用を前提に考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本助成金により研究に必要な物品(画像刺激呈示システムプログラムソフト)が購入できたことにより、臨床への応用を目的とした汎用性の高い摂食嚥下リハビリテーション法の開発がおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本視覚刺激呈示システムおよび脳機能測定装置を用いて、視覚手がかりによる方向選択性舌突出課題を健常被験者に遂行させ、前頭前野の活動を記録する。さらに、本課題の遂行をトレーニングとしたリハビリ効果を検討するため、研究分担者・下堂薗が所属する鹿児島大学医学部・歯学部付属病院霧島リハビリテーションセンター(以下、リハビリセンター)に入院する摂食・嚥下障害患者を被験者として、脳機能の測定を行う。また、脳血管障害等により認知機能の低下が認められる患者においては、立方体模写およびMMSEの検査を行い、トレーニングによる高次脳機能への影響をあわせて検討する。

次年度の研究費の使用計画

光イメージング脳機能測定装置のデータ解析用ソフトのバージョンアップ、被験者の脳機能測定時に必要な物品(消毒液、マスク等)の購入をおこなう。また、リハビリセンターにおける研究分担者との打ち合わせ、および摂食・嚥下障害患者における脳機能測定とトレーニングのためのセットアップのために研究費を用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 摂食行動に関わる高次脳機能2013

    • 著者名/発表者名
      吉野賢一
    • 雑誌名

      日本顎口腔機能学会誌

      巻: 19 ページ: 103-110

  • [学会発表] 脳から見た顎口腔機能と摂食行動

    • 著者名/発表者名
      吉野賢一
    • 学会等名
      日本顎口腔機能学会
    • 発表場所
      北九州市
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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