動脈硬化は血小板活性化、血管内皮機能障害、凝固・線溶系の破綻などにより血栓症へと進展する。そして脳梗塞病変では種々のサイトカインが分泌されアポトーシスが進行し病巣はさらに拡大していく。運動療法がこのような動脈硬化進展と病巣拡大を阻止できないかを研究した。運動療法により脳梗塞患者の血管内皮障害と血小板活性化が軽減され、線溶機能が亢進することを先の研究課題で報告した。本課題では、運動療法が脳梗塞発症後のサイトカインやアポトーシスを軽減することが示唆された。運動療法の継続が血栓形成傾向の抑制だけでなく病巣悪化の阻止にも寄与する可能性が示された。
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