研究課題/領域番号 |
23500613
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
柴 喜崇 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40306642)
|
研究分担者 |
大渕 修一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, その他 (50265740)
上出 直人 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (20424096)
河村 晃依 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (60458750)
|
キーワード | 社会学 / リハビリテーション / 老年学 / エンパワーメント / 互助 / 共助 |
研究概要 |
●平成25年度は当初の研究計画通り,2カ所のサ-ビス付き高齢者向け住宅(以下,サ付き住宅)において,居住者のエンパワーメントを高めるための健康講話会及び事前・事後評価を実施した. ○首都圏内の2カ所のサ付き住宅を研究対象住宅とし,事前・事後評価ともに実施できた介入住宅居住者30名および対照住宅居住者21名が解析対象者となった.両住宅居住者とも健康講話会を月2回の頻度で12回(1回90分)開催した.介入住宅居住者に対しては,1)気づく“講義形式”,2)考える“討議形式”,3)共有する“発表形式”,4)振り返る“親睦会形式”,5)行動する“実習形式”からなる健康講話会を実施した.専門家は居住者主体の会進行となるように,話題提供とファシリテーターの役割を担い,居住者のエンパワーメントを引き出すことに専念した.対照住宅居住者に対しては,専門家による“講義形式”のみを実施する健康講話会とした. ○両住宅居住者間において,事前調査時における年齢,性別,老研式活動能力指標, 認知機能の指標であるMental Status Questionnaire(MSQ)・等に有意差はなかった.事後調査MSQ値を従属変数,事前調査MSQ値を共変量,居住住宅(介入住宅または対照住宅)を独立変数とした共分散分析において,居住住宅間に統計学的有意差が認められ(p<0.05),対照住宅居住者と比較して,介入住宅居住者の介入後のMSQ値が有意に高いことが示された. ○本課題で介入住宅居住者に用いたエンパワーメントを顕在化させる介入方略は講義形式のみの対照住宅居住者との比較において,認知機能に対してより効果があることが明らかとなった.本研究の結果は今後急増する首都圏のサ付き住宅において,エンパワーメントを高め居住者のコミュニケーションを円滑にすることは,認知機能低下に対して何らかの予防的影響を与えることが考えられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究計画の通り当該年度の下記3つの調査及び介入を実施した. 1)直接効果測定のために,2カ所のサービス付き高齢者向け住宅居住者の参加者に対して事前アンケート調査を実施した(事前評価). 2)介入として,2カ所のサービス付き高齢者向け住宅において健康講話会を月2回の頻度で12回(1回90分)開催した(介入). 3)直接効果測定のために,2カ所のサービス付き高齢者向け住宅居住者の参加者に対して事前アンケート調査を実施した(事後評価).
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までの2年間は研究計画通り滞りなく進捗した.したがって,最終年度については研究計画通り継続することとする.ただし,認知機能領域におけるデータ解釈・等について最大の成果を得るために,研究分担者として本学臨床心理士の村山先生を追加することとした.
|
次年度の研究費の使用計画 |
最終年度(3年目)は,研究計画に従い主に下記3項目いついて研究費を使用する予定である. 1) 直接効果測定のために,2カ所のサービス付き高齢者向け住宅居住者の参加者に対して事後アンケート調査を実施する(介入6ヶ月後の持続評価). 2) 間接効果測定のために,2カ所のサービス付き高齢者向け住宅のすべての居住者に対して事後アンケート調査を実施する(横断調査). 3) 成果発表のために,WEB作成,参加者への結果のフィードバック,学会発表(国内外),論文作成,・等
|