研究課題
平成25年度は本研究の最終年度であり、それまでの23年度、24年度の横断調査の完了(対象数150例)を受けて、継続して2年間調査が可能であった93例をもとに、縦断調査とその結果の解析を実施した。さらに、縦断調査では、ベースライン時の運動療法(運動指導)によって、一日平均5000歩以上の身体活動を示した群(5000歩以上群)と、それ以下の身体活動量であった群(5000歩未満群)の2群に分けて、本研究の主目的である運動療法の長期効果を検討した。対象者93例の内訳を述べると、まず、女性については、5000歩未満群は29例、5000歩以上群は19例であった。平均年齢は5000歩未満群 62.6±8.8歳、5000歩以上群64.0±4.1歳、body mass indexの平均値は5000歩未満群22.2±2.5 kg/m2、5000歩以上群19.9±2.3 kg/m2、およびHD期間の平均年数は5000歩未満群8.1±12.6年、5000歩以上群12.8±9.7年であった。次に、男性は5000歩未満群31例、5000歩以上群14例であった。平均年齢は5000歩未満群 67.7±8.3歳、5000歩以上群 68.4±7.7歳、body mass indexの平均値は5000歩未満群21.2±2.5 kg/m2、5000歩以上群 21.6±2.5 kg/m2、HD期間の平均年数は5000歩未満群5.9±8.6年、5000歩以上群 3.5±5.3年であった。解析の結果(分散分析の結果)、男女ともに、群と期間の間に有意な交互作用を認めた(それぞれ、p<0.05)。5000歩以上群の2年後の骨量は、男女ともにベースラインと比べて有意な差を認めなかったのに対し、5000歩未満群は男女ともに有意に低下した(それぞれ、p<0.05)。このことから低い身体活動量は、骨量低下の危険因子であることが示された。これらのことから、日常の身体活動量を維持もしくは改善させる指導(運動療法)は、HD患者の骨量低下を予防する治療手段に成り得ると考えられた。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
Physical Therapy
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.2522/ptj.20130270
European Journal of Preventive Cardiology
10.1177/2047487313492252
The Scientific World Journal
巻: 2013 ページ: 1-6
10.1155/2013/780783