研究課題
脳卒中による慢性期非流暢性失語症における機能的言語課題賦活領域に対する経頭蓋直流電気刺激の効果を検討する為に、1)呼称課題における脳活動をNIRSおよびEEGにより計測、2)同定された賦活部位に対して、ナビゲーションシステムを利用したTMSを施行し、呼称課題反応時間の遅れを測定することにより、同部位の言語機能回復への役割を検討し、同部位の経頭蓋直流電気刺激と言語訓練の組合せによる呼称課題反応時間の変化を検討することを目的とする。実験①NIRS-EEGシステムによる言語課題賦活部位の同定に関して、コンピュータ画面上に表示された絵に対しての呼称課題(Picture-word matching test)施行時における脳血流ならびに脳波の変化をNIRS-EEGシステムにより脳卒中患者において評価する評価方法を確立。脳血流測定部位ならびに脳波測定における関心領域の設定を確立した。マルチトリガーシステムを用いた、音声表出反応時間の評価法を確立し、また確立された課題表示からの音声表出反応時間計測方法を用いて、脳卒中患者における計測を開始した。また、実験②TMSによる機能的賦活部位の同定に関しては、マルチトリガーシステムによる、画像表示をトリガーとして画像提示から100ms後に経頭蓋磁気刺激を施行し、音声反応時間の測定を施行し、その反応時間の変化を測定する手法を確立した。またナビゲーションシステムを用いるためのMRI画像設定条件を検討し、T1画像でのaxial画像を用い、1mm刻みでの画像条件を決定し、脳卒中患者における標的とする前頭前野、下前頭回の同定方法を確立した。また当該研究は倫理委員会での承認(20120069)を得て、UMIN臨床試験登録(UMIN000008467)も終了しており、現在研究参加者募集ならびに登録を行っている。
2: おおむね順調に進展している
健常人だけでなく脳卒中患者における計測、評価手法も確立され、倫理審査承認、UMIN臨床試験登録も済み、現在参加者募集、登録が進行中であることより、研究計画は概ね順調に進んでいると考えられる。
倫理委員会の承認も得られ、参加者登録もすすんでおり、介入研究が進行中である。
研究機器は概ね整備され、研究手法も確立され、次年度では主に研究費は研究消耗品および学会発表のための旅費ならびにデータ解析、論文作成のための費用を中心に使用する予定である
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
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