研究課題/領域番号 |
23500622
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研究機関 | 東京有明医療大学 |
研究代表者 |
矢嶌 裕義 東京有明医療大学, 保健医療学部, 助教 (00563412)
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研究分担者 |
高倉 伸有 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (60563400)
高山 美歩 東京有明医療大学, 保健医療学部, 助手 (20563414)
本間 生夫 昭和大学, 医学部, 教授 (20057079)
政岡 ゆり 昭和大学, 医学部, 講師 (70398692)
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キーワード | 経皮的通電刺激 / 振動刺激 / リハビリテーション / 筋緊張 / 脳 / 運動神経 |
研究概要 |
本研究は、経皮的な通電刺激によって発生した細径求心性神経の興奮が筋緊張亢進を抑制する時の脳内活動について調べることを目的としている。この実験のために開発されたランダム周波数発生ソフトおよび振動刺激発生装置(ランダム周波数発生振動機システム)を用い、手の指先にランダム周波数の振動刺激を与えて、指屈筋の筋緊張亢進状態を誘発(振動誘発指屈曲反射)する。そして、前腕部に非侵害刺激または侵害刺激となる一定時間の経皮的電気刺激を与えて、振動刺激を与えている間の指屈曲力および指屈筋の筋電図を測定する(反射の誘発程度の評価)と同時に、その間の脳波を測定し、1発ごとの振動刺激を起点に加算したデータを双極子追跡法で解析して、この反射が誘発されている時の脳内の神経活動部位の同定を行う。 これまでに、被験者14名のデータを取り終えた。当初は、ランダム周波数のみの振動刺激を与えることしか見込んでいなかったため経皮的電気刺激後の測定を2回と設定していたが、ランダム周波数発生振動機システムの開発・改善の繰り返しによって、ランダム周波数および一定周波数の振動刺激を連続して与えることが可能となったため、経皮的電気刺激後の測定を5回に増やし、経皮的電気刺激によって経時的に変化する振動誘発指屈曲反射の推移を同時に評価することとし、実験を進めている。 この実験手順の修正によって、これまでに行ってきた実験の結果との比較も可能となる。経皮的電気刺激による筋緊張緩和の脳内メカニズムを明らかにすることが期待される本研究は、病的状態で生じる筋緊張とその脳内活動の解明に新たな視点を与えると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の開始時期が平成23年度からずれ込んだために進行が大きく遅れていたが、平成24年度末の段階で実験の残りはあと1名の予定となった。データ処理および解析は同時並行的に進めているが、それに時間がかかることを加味すると、全体として遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
実験そのものは平成25年度の早いうちに終了し、データ処理を進め、データの統計解析およびその評価を行い、その結果の分析やディスカッションを行う。これらによって、振動刺激に伴って推定された脳内活動部位から、侵害受容性の経皮的通電刺激が実験的筋緊張に対して脳内ではどのように作用しているのかを検討し、論文作成を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外研究協力者との直接ディスカッションを平成24年度後半または平成25年度前半に予定していた。しかし、実験の測定回数を増やしたことによってデータの処理に要する時間がかなり増加したため、ディスカッションにかかる旅費等を最小限にしてインターネットによるメールやライブ動画等を極力利用することとし、平成24年度の残額と併せて平成25年度の研究費を、データ処理のための機器やソフト、人件費、またデータ解析に伴い発生する費用等に充てる。
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