この研究の目的は、片麻痺患者の歩行の習熟度を運動軌道の再現性を用いて評価することであった。対象は、回復期リハビリテーション病棟に入棟した片麻痺患者でトレッドミル歩行が理学療法士の監視で可能なものであった。対象者は、トレッドミル歩行が可能になった時期および2週間後に同一の歩行速度でトレッドミル歩行時の身体ランドマークの位置情報を計測した。ランドマークの軌跡の再現性を算出し、歩行習熟によって軌跡の再現性が向上するかが検討された。結果、再現性の向上する例は存在したが、ばらつきが多く、明確な結果は得られなかった。回復過程で快適歩行速度、歩行様式などが変化するため層別化した詳細な検討が必要と考えられた。
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