研究課題/領域番号 |
23500636
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研究機関 | 愛知医療学院短期大学 |
研究代表者 |
宮津 真寿美 愛知医療学院短期大学, その他部局等, 准教授 (50335056)
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研究分担者 |
村上 太郎 至学館大学, 健康科学部, 教授 (10252305)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 筋萎縮 / 運動 / 栄養 / 骨格筋 |
研究概要 |
筋の萎縮に対する対抗策として代表的なものに、運動と栄養摂取がある。本研究では、筋萎縮への対抗策として、効果的な運動と栄養摂取のコンビネーションを明らかにし、運動と積極的な栄養摂取を用いた筋萎縮対抗策を開発する。 まずは、運動による筋萎縮回復過程を検討した。ICR雄性マウス(9週齢)を対象とし、実験前に、オペラント学習法を用いて、立ち上がり運動を1週間練習した。この運動学習を行った後、1週間の尾部懸垂によって後肢筋を萎縮させ、その後、立ち上がり運動を、1セット25回を4セット、一日1回、1週間行った。立ち上がり運動後、ヒラメ筋を摘出し、組織学的評価として、筋線維断面積、筋核を測定した。その結果、後肢筋を一週間尾部懸垂によって萎縮させると、筋線維断面積、核数は減少するが、その後、一週間立ち上がり運動すると、運動せず普通に飼育した群と比べ、筋線維断面積が有意に大きく、運動による筋萎縮回復促進効果が見られ、また、筋線維あたりの筋核数が有意に多いことがわかった。これは運動によって筋萎縮から回復していく際、筋核が増えることを示唆している。 次に、これらの結果を踏まえて、異なった摂食タイミングが運動による萎縮回復効果を高めるかどうかを検討した。1回1時間、一日2回の食事に制限し、そのうち1回の食事を立ち上がり運動の前と4時間後に与え、筋萎縮からの回復を比べた。しかし、1回1時間、一日2回という食事制限をするためマウスの体重が増えず、筋萎縮からの回復に影響を与えることがわかり、来年度以降の検討課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食事を一日2回にして、そのうち1回の食事の時間を、運動時間に合わせて設定し、運動による筋萎縮からの回復過程に効果的な摂食タイミングを示す計画だったが、計画した方法だと、一日に食べる食事量が減少するため、運動による筋萎縮の回復効果が見られないことがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
摂食方法を変更する。代替え案として、通常の食餌を与えながら、分岐鎖アミノ酸を、経口ゾンデにて、運動前と4時間後に投与する方法を検討する。 筋萎縮回復過程を評価するために、今後、マウスの底屈筋力を測定するシステムを構築する。23年度は、組織学的に筋線維断面積と筋核数を測定したが、筋力が測定できるようになると、筋萎縮からの機能的な回復が明らかになる。 また、萎縮筋に対して一週間の運動を行うと、筋線維あたりの筋核数が有意に増大することがわかった。この運動による筋核の増加が、どのような機序で起こるのかを解明する。これが解明されると、萎縮筋に対する運動効果のメカニズムにつながる可能性がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請した計画を少し変更する。摂食方法の変更、萎縮からの機能的な回復効果をみる評価方法の追加、萎縮筋への運動による筋核増加の機序解明などを行う。そのため、実験動物にかかる費用を申請した計画より増やす。具体的には、直接経費の総額約135万のうち、実験動物・動物飼育用飼料・床敷きで40万、 試薬・抗体で60万、 ガラス器具で15万、旅費15万、その他5万の配分で行う計画とする。
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