研究課題/領域番号 |
23500637
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
本郷 哲 仙台高等専門学校, 専攻科, 教授 (80271881)
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研究分担者 |
矢入 聡 仙台高等専門学校, 電気システム工学科, 准教授 (00447187)
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キーワード | 両耳補聴 / バイノーラル / 視聴覚相互作用 / TS-BASE / Motiv / 脳波測定 |
研究概要 |
前年度までに単独で評価実験を行ったのに加え、今年度は視覚情報と合わせた実験を行った。 1)TS-BASEを用いて分離した音と発話映像を合わせた映像を作成し、その評価手法を考案し、その手続きを決定した。雑音を付加した音声了解度により評価するとともに、その音声の印象評価をSD法で行うことを主とすることにした。そのための、予備実験を行った。また、この際に用いた音声は、FW03をベースとしたものにし語彙の不均一が生じないようにした。 2)上記の実験においては、主観的な印象評価をSD法を用いて行っているが、明瞭度を計測することと音声の印象評価を同時に行うことは、被験者にとって難しいことが明らかとなった。そこで、中途の段階で、音声了解度試験終了後に、SD法による印象評価調査をするだけではなく、音声了解度試験中の被験者のストレスを脳波を測定することにより、脳波の興奮度も主観評価と合わせて、評価する方針をとることにした。このために、LabViewとMotivという測定用装置を購入し、測定環境を構築した。 なお、音声評価時に脳波を同時に計測することにより、ストレス、評価時の脳の活性度、等を類推することができるため、了解度試験の高精度化も期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
映像を付加した音声刺激に対して、評価手法を考案し、予備評価実験を行った際に、音声了解度と音声に対するSD法による主観評価を当初想定していたが、単なる主観評価だけではなく、生理的な脳波の活性度を計ることが有効性が期待され、学術的にも多くの知見が得られる可能性が見いだされたため、一部実験方針を変更した。 それ以外については、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
実験のための刺激、実験の計測の手続き、そのための計測装置、が揃ったので、評価実験を実施するのみとなっている。最終年度を迎え、今後は、多くの被験者を用いて評価実験を行い、評価結果をまとめる方向で研究を推進していく予定である。具体的には、次の通りになる。 1)FW03に基づく映像刺激をバランス良く用意する。 2)音声了解度試験を実施するとともに、Motivにより脳波を測定しながら行いその相関をとる。 3)了解度試験の終了後に、SD法による各刺激群に対して、主観的評価試験を実施し、音声了解度試験結果、脳波測定による脳の活性度との相関を評価する。なお、このとき定量化の際の相関は、カテゴラル量に対しては、ポリシリアル相関、ポリコリック相関等を用いて実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度であるため、実験の手続きや装置は確定済みであり、その費用はほぼ要さない。そのかわり、上述の試験を実施するために、実験者や被験者への謝金を多分に配分予定である。また、研究成果を発表するために、国内外の発表旅費を計上する。最後に、最終年度の成果発表論文の印刷費用も計上する。
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