研究課題
両耳補聴器において、補聴器利用者の相手話者の発話は、雑王抑制処理等における時間遅れを伴って聴覚音声情報が耳に入る。本研究では、このような視聴覚の時間的非同期の刺激が与えられる条件かで、両耳補聴システムの主管性能評価を行い、両耳歩調システムの実現上具備すべき要件を明らかにすることを目的とする。平成25年度までに、主観的な性能評価、視聴覚相互作用による歩調システムの遅れ時間の影響、の視点にたち了解度実験を行っている。この結果、音声量か緯度は、時間ウくれが100msを超える付近から低下しはじめ、300msを超えた時には、□情報は音声認知を補助しないことが明らかとなった。また、子音と母音の認識率の差を調べたところ、圧倒的に子音の認識率が低下しており、時間遅れにより認識低下が起こり易い要因(子音が大きく作用する)ことが明らかとなっている。本年度は、特に時間遅れにともなう定位感のずれについて実験を行った。映像を動かしながら、音声提示スピーカーを移動させると、速度1m/s程度(室内歩行速度程度)の場合、100msの遅れで 定位上の違和感が大きくなりはじめることが明らかとなった。以上のことから、両耳補聴器においては、了解度の観点からも、定位感の観点からも100ms以内の処理時間に抑えることが重要な要件であることが本研究で明らかになった。
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IEICE Trans. Fundamentals
巻: Vol. E97-A ページ: 1893-1901