研究課題/領域番号 |
23500641
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
巖見 武裕 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10259806)
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研究分担者 |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00261652)
宮脇 和人 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00390906)
佐々木 誠 岩手大学, 工学部, 助教 (80404119)
島田 洋一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90162685)
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キーワード | 動的バランス能力 / 転倒予防 |
研究概要 |
本研究では,座位姿勢に動的外乱を与えることで,体幹機能を強調したバランス能力を安全に評価する座位バランス能力評価装置を開発した.本装置は,DCモータ使用で最大傾斜角3°で左右に傾斜し,座面下に3個の3軸力学センサを配置し,圧力中心点を算出することができる.そのため,外乱負荷時の動的な体幹動揺を圧力中心点COPの軌跡で測定し,外乱負荷応答能を評価することができる.本装置を用いて,これまでに若年者と高齢者のバランス能力を評価した.その結果,高齢者は外乱刺激に伴うCOP の動揺が有意に大きく,姿勢保持能力が低いことが示された.25年度は,本学医学部付属病院と共に,活性型ビタミンD3製剤によるバランス能力の改善効果を評価した.活性型ビタミンD3製剤はわが国で開発され,すでに20年間以上わが国では骨粗鬆症治療薬として最も多く用いられている.また,新たに骨折抑制,筋力,平衡感覚改善,転倒予防,など新しい作用や知見が報告されている.エルデカルシトールは2011年に臨床応用された新しい活性型ビタミンD3製剤であり,ビタミンDの転倒抑制作用あるいは筋力改善などを介する身体バランス改善作用を有する可能性が指摘されている.しかし,これまでの臨床試験ではいずれについても検討されていない.本研究では,開発した動的座位バランス計測装置を用いて,エルデカルシトールが筋力,バランス能力に及ぼす影響を定量的に評価し検討した.本研究に参加することに同意を得た60歳以上の未治療閉経後骨粗鬆症患者31名,平均年齢74歳(63-85歳)を対象とした計測により,エルデカルシトールは動的バランス能力,外乱負荷応答,近位筋力を改善することで転倒予防効果を発現する可能性が示唆された.
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