研究課題/領域番号 |
23500667
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研究機関 | 群馬工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大墳 聡 群馬工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (50223863)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 福祉 / ヒューマンインターフェース / 盲ろう者 / 体表点字 |
研究概要 |
視覚と聴覚に障害のある盲ろう者を対象に振動にて点字情報を伝える体表点字という研究において、本研究では体表点字未経験者を対象に学習システムを構築するとともに、学習を通して指以外の部位で振動により情報を獲得する過程を解明することを目的としている。 本年度は、初めに入門者がストレスなく使用できかつ使用者の学習状況を解析できる装置の仕様を検討することとして性能要求を決めた。入門者が使いやすいように振動モジュールが無線化された装置を開発することとした。また、装置の電源としては使用者の扱いやすさを考慮してバッテリー駆動とした。学習装置であるため6点点字キーボードを有するものとして、使用者が学習中に操作したキー入力を記録できるように装置には外部記憶メモリを搭載することとした。 性能要求を元に仕様の検討を行った。視覚と聴覚にある障害者が扱う装置であるので、ハンドメイドの装置では使用時に破損してしまう可能性があるので、しっかりとした装置を業者に製作してもらうことを念頭に仕様を詰めた。無線部分は実用化をしたときに電波法に抵触することのないように技術基準適合証明があるXBeeモジュールを採用することとした。バッテリーについては障害者には電池の交換は困難なのでUSBケーブルを用いた充電式とした。 仕様を元に装置の製作を行い、6点点字キーボードのついた親機と振動モジュールからなる子機のハードウェアが完成した。現時点で3セット(科研費による1セット、他2セットは学内の研究費による)が製作されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は体表点字初心者が体表点字を自己学習するための装置の開発を行なうこととしていた。仕様を満足する装置3台(科研費による1台、他2台は学内の研究費による)が完成した。現時点では親機のボタンを押すことで無線振動モジュールである子機が振動するというテストプログラムでの動作確認はできている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、まず体表点字の呈示方法に従った振動をするように製作した装置のファームウェアを整え、点字初心者が学習を行えかつ学習者の操作ログを残せるようなプログラムを作り、2名程度で試用を行い、改良を行っていく。そして年度後半では新たに4名程度に体表点字の学習をしてもらい、次年度に行う入門者の学習過程を解析するためのデータを取得する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年7月にオーストリアでの国際会議にて、現時点で製作した装置を紹介するという内容で発表を行う。大会参加費を科研費から支出する予定で3月に参加申し込みを行ったが、クレジットカードによる決済の精算は平成24年4月以降になるということを理解していなかったため平成23年度中に精算ができず残金となった。次年度平成24年度に精算を行う。 それ以外の当初平成24年度分の配分額は、ファームウェアの設計費、学習装置4台(科研費により1台、他3台は学内の研究費にて)、打ち合わせの旅費、学会発表の旅費等にあて、交付申請書の研究計画通り平成24年度の研究を進めていく。
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