研究概要 |
本年度の目的は,一般中学生を対象として,30 m地点における疾走能力および疾走動作をキネマティクスの観点から分析することによって疾走動作の特徴を明らかにすることであった.その結果は以下のように要約される. 1)疾走速度,ピッチ,ストライドよびその身長比は,男子では7.55±0.36m/s,4.29±0.32Hz,1.77±0.12,1.05±0.07,一方,女子では6.31±0.36m/s,4.00±0.30Hz,1.58±0.10,1.01±0.05であった,また,疾走速度と有意な相関関係がみられたのは,男子ではピッチ,女子ではピッチとストライドの両方であった. 2)疾走速度と有意な相関関係にあった動作要因は,離地時の股関節角度(r=-0.402),膝関節の最大伸展角速度(r=-0.466),全体の最大スウィング速度(r=0.432)であり,女子では,最大膝引きつけ角速度(r=0.526),最大腿上げ角速度(r=0.476)および最大振り戻し角速度(r=0.666),接地中の足関節最大屈曲角度(r=0.412),股関節の最大伸展角速度(r=0.501),膝関節の最大伸展角速度(r=-0.432)脚全体の最大スウィング速度(r=0.797)であった. 以上のことから,一般中学生の疾走速度は,男子では,ピッチ,女子では,ピッチとストライドと関係があること,また動作要因では,男女とも脚全体の最大スウィング速度との間に相関があることが示唆された.
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