本研究の目的は,小学1年生から高校3年生における疾走能力やその動作の発達と短距離走の授業の学習効果を明らかにすることであった.その結果は次のように要約される. 小学1年生から高校3年生にかけて,疾走能力および疾走動作は,男女ともに形態および機能の両要素の発達によって向上することが示唆された.疾走動作の性差は,女子の方が男子よりも接地中の膝関節の屈曲伸展が大きい動作であることが示唆された. 体育授業(中学校)において短距離走を学習した結果,男女とも100 m走タイムは短縮したことが示された.その要因は,男子では全速維持局面,女子では全力疾走および全速維持局面の疾走速度が向上したことであった.
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