研究課題/領域番号 |
23500675
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 博 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60161535)
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研究分担者 |
伊東 太郎 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40248084)
門田 浩二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50557220)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 精密把握 / 把握力 / 持ち上げ力 / 計量重量 / 安全領域 / 滑り係数 / 指接触面積 / 重量弁別 |
研究実績の概要 |
本研究では、重量および把握面素材変化が可能で軽量(6g)な小型の精密把握力・持ち上げ力測定器を作成し、6gから200gの重量変化(14段階)およびサンドペーパーとレーヨンでの持ち上げ運動時における把握力と持ち上げ力の関係について調べることを目的とした。実験は20名の健康若者男女(18~38歳)と20名の健康高齢者男女(69~81歳)を対象とし、重量と把握面を変えて繰り返しのも仕上げ保持、滑り落下運動を行わせた。また、把握力と指先の物体接触面積、把握力と指先皮膚と皮下組織の変形の計測、および軽量物体の重量弁別能力測定も実施した。その結果、若者群では以下のことが明らかとなった(1)本研究者らが開発した6gの極めて軽量な把握力・持ち上げ力同時計測装置は、本研究の目的を十分に果たす機能を有していること、(2)把握力と持ち上げ力の比(GF/LF)は、把握面素材に関係なく30g以以上の重量ではほぼ一定となるが、それ以下の重量では急激に増大すること(3)把握力の安全領域が把握力自体に占める割合もGF/LF比の変化に類似すること、(4) 静止摩擦係数もどちらの把握面素材でも軽量物体での値が増大すること(5)把握力の試行内での変動性(CV値)も軽量物体把握時に増大すること、(6)指の接触面積および変形(ひずみ)は把握力との間の関係式はどちらも累積モデルで近似が可能となること、(7)重量弁別は軽量域ではウエバー比が増大し弁別力も減退すること、などが明らかとなった。高齢者群での結果は、若者群に比べて(1)GF/LFの値が高齢者の方が大きく、特に軽量物体でその差が大きいこと、(2)摩擦係数が減少すること、(3) 把握力の安全領域比が大きいこと、(4)触覚の機能テスト(モノフィラメント検査)の閾値がよりも高いこと、などが明らかとなった。
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