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2011 年度 実施状況報告書

運動後低血圧現象と脳血流動態、心的状態および計算能力との関係

研究課題

研究課題/領域番号 23500676
研究機関山口大学

研究代表者

曽根 涼子  山口大学, 教育学部, 教授 (50271078)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード運動後低血圧 / 持久性運動 / POMS / 運動の時間帯
研究概要

本研究の目的は、午前と午後の各時間帯に運動を行い、その後の血圧応答について24時間にわたって調べて、運動の実施時間帯が運動後低血圧(PEH)現象に及ぼす影響について検討すること、およびPEH現象と心的状態、眠気や睡眠の質との関係についても検討することであった。覚醒下における血圧の測定は、仰臥位と座位の両姿勢で行った。本研究の結果得られた主な所見は以下の通りであった。1.仰臥位における血圧の24時間の平均値は、収縮期血圧(SBP)について、運動を行わなかったCont条件に比べて午前(ExAm)と午後(ExPm)の両運動条件の方が2~3 mmHg低かった(p<0.05)。一方、拡張期血圧(DBP)については条件間に明らかな差はなかった。夜間睡眠中の血圧は、Cont条件に比べて、ExAm条件では低い傾向、およびExPm条件では逆に高い傾向を示した。ExPm条件のSBPは、運動の翌日に、再度、Cont条件に比べて低値を示した(p<0.05)。運動後の覚醒下におけるSBPの低下は、仰臥位に比べて座位の方が小さかった。2.運動による疲労感の増大は、ExPm条件よりもExAm条件の方が長時間持続した。また、特には座位における血圧の低下が大きいほど疲労感の増加も大きいという関係があった。3.睡眠の質との関係で測定された夜間睡眠中の体動量と心拍変動性の応答には、血圧応答との間に明らかな関係はなかった。 以上のことから、8時と16時のいずれの時間に運動を行った場合にも、運動後の覚醒下のSBPは長時間にわたって低下すること、および夜間睡眠中の血圧応答は運動の時間帯によって異なることが示された。また、運動後の血圧応答と疲労感の間に関係があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は運動の時間帯がPEH現象に及ぼす影響について検討することが主な目的であったが、その目的は達成できているため。

今後の研究の推進方策

今年度は、持久性運動後のPEH現象と脳活動、集中力や計算能力との関係について検討する。実験方法は以下の通りである。被検者は、定期的に運動を行っていない健康な若年男性8名とする。最大酸素摂取量の60%強度での運動を30分間行い、その直後から、PEH現象の顕著な2時間程度について(平成23年度の結果に基づく)、血圧、心拍数、一回拍出量および脳活動(前額部に測定プローブを取り付けて、近赤外分光法によって、高次中枢である前頭前野の酸素化ヘモグロビン(O2Hb)、脱酸素化ヘモグロビン(HHb)および総ヘモグロビン(cHb)の濃度変化)を連続的に測定する。測定時の姿勢は椅座位とする。また、この測定は、運動後に持続的注意集中力テストを連続して行う場合[運動実験1(集中力テストあり)]、暗算テストを連続して行う場合[運動実験2(暗算テストあり)]と何も行わない場合(運動実験3)の3回実施する。また、定期的に眠気と心的状態の調査を行う。コントロール実験として、運動を行わない場合についても測定する。実験間には3日間~1週間空ける。実験の順序はランダムとする。

次年度の研究費の使用計画

脳活動の測定のために近赤外分光装置の購入を予定している。また、被検者謝金、学会出張費の使用を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 午前および午後の運動後その後の血圧応答に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      山口裕大、藤森正徒、塩田正俊、丹 信介、曽根涼子
    • 学会等名
      第66回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      下関海峡メッセ(山口県)
    • 年月日
      2011.9.16
  • [学会発表] 運動の時間帯が運動後の血圧および気分の変化に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      尾崎真奈美、藤森正徒、山口裕大、曽根涼子
    • 学会等名
      山口県体育学会第56回大会
    • 発表場所
      山口大学共通教育SCS教室
    • 年月日
      2011.12.3

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公開日: 2013-07-10  

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