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2012 年度 実施状況報告書

運動後低血圧現象と脳血流動態、心的状態および計算能力との関係

研究課題

研究課題/領域番号 23500676
研究機関山口大学

研究代表者

曽根 涼子  山口大学, 教育学部, 教授 (50271078)

キーワード運動後低血圧 / 持久性運動 / 近赤外分光法 / POMS / 暗算
研究概要

本研究では、持久性運動後における血圧、脳の酸素化動態、ひいては血流動態、および心的状態の変化について、暗算パフォーマンスとの関係も含め検討した。また、タイツ着用の影響についても検討した。
健康な男子学生6名を被検者として、運動後タイツ非着用(ExN)条件、運動後弾性タイツ着用(ExCG)条件、運動後非弾性タイツ着用(ExT)条件、および安静後タイツ非着用(ReN)条件の4つの実験を行った。運動は、最高酸素摂取量の70%強度での計30分間の自転車運動を行った。その間、ReN条件では安静を保った。測定は運動の前(pre)、運動後約40分(post1)および約80分(post2)に仰臥位で行った。暗算テストは4桁から2桁の減算を10分間行った。
1)運動後の収縮期血圧は、preからの変化量でみると、post1・2の両時点でReN>ExCG>ExT>ExNであり、実験条件によって異なる傾向があった(p=0.121)。2)全実験条件において、前頭前野の酸素化ヘモグロビン(O2Hb)、脱酸素化ヘモグロビン(HHb)および総ヘモグロビン(cHb)濃度は、安静時の値はいずれも運動後に増加し、暗算時にはO2HbとcHbは増加、HHbは減少した。暗算に対するO2HbとcHbの応答は、実験条件間に有意な差はなく、全実験条件で運動後に弱まる傾向があった。3)気分プロフィール検査の結果、および暗算の回答時間および正答率には、実験条件間に有意な差はなかった。
以上のことから、持久性運動後の血圧の低下傾向と前頭前野の血流量の応答に関係はないことが示唆された。さらに、運動後の血圧の応答と暗算パフォーマンスおよび心的状態の変化との間にも関係は認められなかった。ただし、これらの所見は運動後の低血圧化が顕著ではない状況下で得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は持久性運動後における血圧応答と脳の酸素化動態や暗算パフォーマンスの関係を検討することが主目的であったが、その目的は達成できているため。

今後の研究の推進方策

今年度に行った研究の結果から、運動後の低血圧化がより顕著な状況下での検討が必要であると考えられた。そのため、今後は、引き続き今年度と同様、持久性運動後における血圧、脳の酸素化動態、ひいては血流動態、および心的状態の変化について、暗算パフォーマンスとの関係も含め検討することを目的とするが、運動強度をより強くする、運動時間をより長くする、また、測定時の姿勢を座位にするなどによってより顕著な運動後低血圧現象を生起するような条件で実験を行い、検討する。また、タイツ着用の影響についても引き続き検討する。

次年度の研究費の使用計画

今年度までの研究成果を海外で発表するため、学会出張費の使用を予定している。また、近赤外分光装置のセンサーや心電図電極等、消耗品の購入も予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 運動を行った時間帯が運動後24時間の血圧応答に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      曽根涼子、尾崎真奈美、山口裕大、藤森正徒、山崎文夫、丹信介
    • 学会等名
      第67回日本体力医学大会
    • 発表場所
      長良川国際会議場・岐阜都ホテル
    • 年月日
      20120916-20120916
  • [学会発表] 午前と午後の運動後における夜間睡眠中の血圧および心拍変動性の応答に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      曽根涼子、山口裕大、丹信介
    • 学会等名
      第20回日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      筑波大学大学会館
    • 年月日
      20120729-20120729

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公開日: 2014-07-24  

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