幼児の運動能力の二極化を次の視点で確認した。1)正規分布からの乖離性、2)尖度とパフォーマンス特性の関連、3)ヒストグラムの変化、4)運動能力の偏り。1411名の幼児の測定を実施し、多変量解析を用いて分析した。その結果、1)体格・筋力は正規分布だが、移動運動は優偏、操作・安定運動は劣偏の乖離が示された。2)尖度から格差は確認できない。しかし、6歳女児に格差傾向を示すパフォーマンスが存在した。3)ヒストグラムの形状は加齢に伴い正規化した。4)運動能力の偏りは一部の幼児(14.1%)に出現し、走力・リズムに優れ、操作運動・跳技能に劣るものとその反対のパターンであった。
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