研究概要 |
本年度予定されていた対象校における調査は、学校統合準備作業などの事情により24年度対象校における実施へと変更になった。このため、本年度は調査予定の中山間地区における事前調査で得られた基礎的データの解析を行い、当該地区における児童の身体活動を主とした客観的な実態把握を中心とした研究を実施した。また、24年度の調査対象校において事前調査を行い、詳細な情報収集を行った。 事前調査の対象は児童、保護者、教員からの同意・協力が得られた東海地区中山間地域に位置している小学校3校の児童51名(小学生4~6年生、男児19名、女児32名)であった。全児童の登校日(平日)と休日の1日当たりの総消費量、運動量、歩数、運動強度は、全項目において有意な差がみられ、いずれも登校日(平日)の方が高い値を示した。登校日(平日)と休日の性差をみると、登校日(平日)の運動強度IVを除く全指標において男児の方が女児よりも高値であった。1日当たりの歩数(登校日で男児18,170±4,888歩、女児16,026±4,059歩、休日で男児10,529±8,259歩、女児8,317±4,450歩)については、先行研究と比較すると相対的に多かった。中強度~高強度の運動については、休日では登校日(平日)の30~50%程度まで身体活動が激減している様子が男女児ともにみられた。本研究では、中山間地域における小学生の日常生活中の身体活動の特徴として、性差がみられること、登校日と休日に差がみられ、特に休日の減少が著しいということが示唆された。 以上の結果が遠距離通学者が多い中山間地域における児童の特徴であるのかという点を明らかにするとともに、身体活動を適切に評価する客観的手法の開発に基づき、子どもの生活実態と通学形態との関連をより詳細に解明することを今後の課題としたい。
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