本研究の目的は、運動実践についての新たな理論を構築するために、現象学的運動学の可能性を提示することである。その運動学を成立させる研究方法として三段階が導かれた。すなわち、分析のための準備段階、分析方法に自覚的になり、その方法を分析に適用する段階、そして考察の段階である。この新たな現象学的運動学の内容は下記のように構想された。第I部は現象学的運動学についての導入、第II部は人間の運動実践を分析する方法として現象学的方法を提示し、第III部では現象学的分析によって得られた成果を体系化したものの提示である。要するに、現象学的運動学によって、われわれは身体教育として運動指導が可能となるであろう。
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