研究課題/領域番号 |
23500693
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
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研究分担者 |
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育学科, 教授 (90185918)
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (60468791)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 韓国、台湾 / スポーツ・リテラシー / ジェンダー |
研究概要 |
初年次は、スポーツ・リテラシー教育としての体育授業の現状を把握するための基礎的資料の収集および現地研究者へのインタビュー調査を行ってきた。そして今年度の研究成果の一端を、次の学会に報告した。 国際学会:(1)「The Current Conditions of Children's Growth and Curriculum Designing in Physical Education」(海野勇三:韓国健康教育促進学会第2回国際大会、2011.10.22),(2)「Urgent Issues in Actual Conditions of Physical Education in East Asia」(海野勇三:中華スポーツレクリエーション産業管理学会、2012.4.28) 国内学会:(1)「韓国における初等体育授業の現状」(中島憲子:日本スポーツ教育学会、2011.11.13)(2)「イギリスにおける初等体育授業の現状」(海野勇三:日本スポーツ教育学会、2011.11.13) これら一連の報告を通じて、東アジア地域の体育授業において、目標次元(運動有能感、教科への愛好的態度、教科に対する有用さの認知、体育授業に対する態度)で有意な男女差が確認され、またその差が学校階梯を上昇するにつれて拡大していく傾向を認めることができた。この結果は、体育授業の目標・内容・方法の各次元でジェンダー・バイアスが潜在している可能性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年計画の初年度は、(1)現地研究者・教育機関との研究体制の構築、(2)調査対象地域・国の教育カリキュラム、児童生徒の生活と発達状況、体育授業の実態等に関する資料収集、(3)第1次調査の実施、の3つを計画に掲げていた。そして実際に、韓国、台湾およびカンボジアを訪問して、現地の研究者と国際比較調査研究の実施に関する研究協議を重ね、調査協力校の確保、調査手順の確認等に関し合意形成を図ってきた。また、韓国および日本の一部地域で第1次調査を実施することができた。加えて、そうした成果を:(1)「The Current Conditions of Children's Growth and Curriculum Designing in Physical Education」(韓国健康教育促進学会第2回国際大会、2011.10.22),(2)「Urgent Issues in Actual Conditions of Physical Education in East Asia」(中華スポーツレクリエーション産業管理学会、2012.4.28)として、現地研究者との連名で共同研究報告することができた。 このように、初年次に予定していた研究計画は、おおむね達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年次は、各調査対象地域・国で本格調査を実施することになっている。そのため、今年度前半は、当初予定していた調査カテゴリーごとの調査票を作成し、現地語に翻訳し、現地研究者の最終点検・修正を経て正式版を作成することとなる。そして今年度後半、すなわち台湾では新学期が始まる9月、韓国では3月に、現地を訪問し、調査の実施過程をモニターするとともに、引き続き、聞き取り調査と資料収集を行う予定である。ただ、当初調査対象地域として予定していたシンガポールは、現段階で現地研究者との間で研究体制が構築されないままにある。そのため、今年度の調査では対象地域から除くか、または対象地域を変更することも考慮しなければならない。また、昨年度に実施した事前調査の結果を国際学会で共同報告を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
2年次は、本格調査を実施する予定である。そのため、調査票の作成・翻訳・印刷費、および調査への協力謝金が必要となる。また、各調査対象地域・国での調査実施をモニターし、データを回収するために、海外出張旅費の割合が大きくなる予定である。
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