研究課題
本研究の目的は、幼少年期、特に幼児と小学校低学年の子どもと保護者の生活・運動習慣を詳細に分析し、幼少年期の生活習慣改善及び親子運動実践支援プログラムを構築することにある。主な結果は以下の通りである。1.幼児期から小学校低学年にかけて子どもの年齢が上がるにつれ、仕事に従事する親の割合と子どもとのスキンシップが不十分だと感じている親の割合が増加する傾向にあった。 2.幼児で10時間以上、小学校低学年で9時間以上の睡眠時間をとっている子どもは年齢が上がるにつれて少なくなる傾向にあった。その傾向は特に幼児期に顕著であった。 3.年長から小学校低学年に関しては、朝食を食べない親子が増えている。親の食習慣が子どもに影響を及ぼしていることが一つの要因として考えられる。 4.親の運動習慣が子どもに影響している。親の運動習慣が定着している子どもほど、子どももよく運動する傾向にある。一方、習い事をよくする子どもは外遊びをする時間が減少し、運動習慣も定着していない。 5.親子コミュニケーションを主眼とした親子運動実践プログラムの実践が親子の生活習慣改善と運動習慣の定着に寄与できる要因であることが示唆された。以上の結果より、幼児期から小学校低学年における親子のスキンシップと仕事の従事、並びに親と子どもの生活・運動習慣の関連性が明らかとなった。その改善策として、親子運動実践支援プログラムの構築が親自身の生活・運動習慣と幼児期及び小学校低学年の子どもの生活・運動習慣の改善に寄与することが示唆された。
すべて 2014
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日本発達心理学会「発達障害」分科会 編『<身体>に関する発達支援のユニバーサルデザイン』金子書房
巻: 著書分担執筆 9章 ページ: 120-135