研究課題/領域番号 |
23500702
|
研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
平工 志穂 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (30302821)
|
研究分担者 |
曽我 芳枝 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (10349631)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 女子大学生向けの体育 / 体育の宿題 |
研究概要 |
本研究の目的は女子大学生に適した大学1年次学生対象の教養課程教育用の体育授業プログラムを開発し、その効果を検証することである。 現在の大学体育では女子学生に対し、男子学生と同様の体育プログラムを実施しているケースが多いが、女子学生の心身の特徴や好みなどを考慮した体育プログラムを提供することで教育効果がさらに高まるものと思われる。そこで本研究では女子学生の生理心理状態を考慮にいれた教授内容、体育の宿題を用いた授業内容を特徴とした体育プログラムを開発し、健康度、生活習慣、身体活動量等に及ぼす影響を中心に効果を検証する。 そのために本年度は1)女子学生に対する健康・運動科学教育の実態調査、歴史的調査 2)女子学生を対象とした授業で教材として用いる運動・スポーツ・トレーニング種目の選定のための調査を行った。 その結果、女子学生の好みに焦点を当てた結果からは、従来の体育授業であまり用いられていない身体技法、心身メンテナンス法等に対する関心や興味が高いことが示された。また、2)に関連して、集団スポーツ、個人スポーツ、フィットネストレーニング、道具を用いたエクササイズ、ダンスなどの種目について、心拍数、RPE、POMS、歩数、質問紙などを用いて運動強度、好み、気分改善効果の観点から検討を行った。その結果、種目によって傾向が異なることが示された。ダンスはクラシックバレー、フォークダンス、モダンダンス、ジャズダンス、ヒップホップについて検討を行ったが、いずれの種目も気分改善効果が高いことが示された。 これらの結果は、目的とする授業効果に応じた運動教材を選択する際などに有用な知見になるものと思われる。 本年度で得られた知見をもとに、女子大学生向けの体育プログラムの素案作成作業を共同研究者とともに行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学女子学生に、より適した効果の高い体育プログラムの開発を行うため、今年度は、(1)女子学生向けの体育プログラムの概要案の作成(2)女子学生向けの体育、教育プログラムの妥当性を高めるための調査・検討、を中心に検討を行った。 (1)については、女子学生に対する健康・運動科学教育の実態調査、歴史的調査を行ったうえで概要案を作成した。(2)については、授業に用いる教材の運動強度や女子大学生の生理心理状態に及ぼす影響についての検討を中心に行った。 以上のように、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は女子大学生向けの体育の宿題を作成し、健康度、生活習慣、身体活動量、フィットネスレベルの観点からその効果を検証する。効果について、従来の体育授業プログラムと比較するという手法で検討を行う。体育の宿題は、コンディショニングチェック(基礎体温、体重、体脂肪率、体調など)と身体活動のチェック(日常身体活動、全身持久力、柔軟性、筋力/筋持久力、スポーツなど)を大きな柱として実施する予定である。まずは東京女子大学の専任教員にご協力をいただき調査を行う。効果の検証はデータ処理のアルバイトなどのサポートを受けながら、研究代表者が中心となって行う。検討結果をもとに、体育の宿題を含めたよりよい体育プログラムの検討を行い、必要なシステムを整備する。 平成23年度の研究成果について、学会発表・論文投稿を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
23年度はコンディションチェックをするために役立つ生理心理機能を測定する機器について、より良い機種の選定をすべく検討を行ったが、購入に至らなかった。その分については次年度再検討の上、購入したいと考えている。 また、平成24年度は体育の宿題の成果を検討するため等の質問紙、統計ソフト、PC関連用品の購入、データ処理の人件費、また、よりよい体育プログラムを実施するためのシステム整備にかかる物品・人件費等、授業の様子を記録に残すための機器の購入、23年度成果の発表のための費用等も必要になる。
|