本研究の目的は女子大学生に適した1年次学生対象の教養課程教育用の体育授業プログラムを開発し、その効果を検証することである。 女子学生を対象とした大学体育について、男子学生と同様の授業内容を実施しているケースが多くみられるが、女子の心身の特徴や好みを考慮した運動教材を用いたり、女性にとって重要な生理指標に着目する形で授業を行うことは、授業効果を一層高めることに貢献するものと思われる。 女子大学生に適した運動教材を検討した結果、Gボール運動は学生の体力レベルにかかわらず、好意的評価を得やすい教材であることが明らかとなった。また、女子大学生の姿勢の乱れやそれに起因するからだの痛みや不調についての問題が指摘されているが、女子大学生の姿勢に対する意識と健康との関係について、国際比較、男女比較の観点から検討を行い、日本の女子大学生の姿勢を意識する人の割合は比較的低いこと、身体のどの部位を意識しているかは国によって異なること、姿勢に対する意識が身体各部位の痛みや不調と関連する可能性があることなどが明らかになった。また、女子大学生の体格、体力の現状と経年変化、骨量の現状の検討を行った結果、持久力、筋力、骨量をより効果的に増強する必要性が指摘された。これらの成果について学会発表、論文発表を行った。 昨年度出版した1年次女子学生向けの女性のウェルネス・身体運動の授業用のハンドブックについて、1年間使用してみての修正点を本学専任教員とともに洗い出し、本年度の研究成果を加味する形でハンドブックの改良を図った。
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