女子スポーツ選手の本質的な初経遅延はまだ立証されていない。しかし、単なる初経の遅れはウェーブレット補間法から導かれた身長のMPV年齢(Age at Maximum Peak Velocity)と初経年齢との差(ズレ:interval)を、女子スポーツ選手群と一般女子群(対照群)との比較から平均的には検証することができた。そこで、本研究は、韓国人一般女子(対照群)における身長のMPV年齢に対する初経年齢の回帰分析を行い、1次から3次までの回帰多項式を構成し、最適な回帰多項式を求める。そして、最適な多項式回帰評価に運動選手の初経年齢と身長のMPV年齢を適用し、初経遅延評価システム構築の妥当性を検討しようとしたものである。そして、初経遅延と月経状態の関係について検討した。対象は、韓国釜山近郊の某体育専門高校2年生の女子150名についてアンケート調査を実施し、生年月日、初経年齢と小学、中学、高校時における運動実施状況を把握した。また、健康診断票を後方視的に調査し小学1年(7歳)から高校2年(17歳)までの身長の縦断的発育資料を得た。次に、対照群も同地区の一般某高校2年生女子を対象にスポーツ選手群と同様の調査を実施した。一般女子の完全に資料の揃った者345名が抽出された。その結果、最適な回帰多項式は3次多項式が妥当であり、その回帰評価に対して韓国女子スポーツ選手を個々に適用したところ、ほとんどのスポーツ選手で正の得点が得られ、全体的には初経遅延が認められた。しかし、アーチュリーは初経遅延が認められなかった。したがって、韓国女子スポーツ選手の強い初経遅延が認められ、初経遅延評価システムの有効性が検証された。さらに、初経遅延と月経状態の関係が本研究で初めて明らかにされた。
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