2者それぞれの参加者を2歩離れた距離で対面させた.互いに対側の脚から同時に踏み出させると,すれ違い地点で衝突もしくは立ち止まる傾向が高かった.次に環境の幾何学が同期に与える効果を検討するため,二者の空間自由度を制限した環境下で位置を交換させた.互いに異なる方向に空間自由度を持たせると2者間の跳び出し時間差が延長され,両者に等しく自由度を持たせるとこの時間差が消失した.行為空間においてすれ違う二者が同等の空間自由度を有する場合にステップ動作が同相同期し,このときさらに互いに対側の脚で踏み込もうとすると,日常的に経験される「意図せず通せんぼ協応」が創発すると考えた.
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