知的障害のある児童生徒は運動機会が限られ運動スキルの獲得や運動量を確保しにくい状況にある。学校での体育授業は大切な運動学習の場であり,本研究では知的障害特別支援学校で取り扱う体育学習内容の現状や児童生徒の運動スキルの実態を調査するとともに,各種運動課題についてビデオ撮影し,運動スキル評価表試案を作成して,運動スキルの状況を検討した。その結果,特別支援学校ではサッカー以外のボール運動があまり取り上げられていないこと,各運動課題の個人差がきわめて大きいこと,対象物と身体の位置関係を調整しながら行う運動課題の遂行が難しいことなどが明らかとなり,今後の体育学習内容の策定に資すると考えられた。
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