研究課題/領域番号 |
23500721
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤江 幸則 筑波大学, 体育系, 准教授 (20364846)
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研究分担者 |
齊藤 まゆみ 筑波大学, 体育系, 准教授 (00223339)
柄田 毅 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10383308)
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キーワード | 自閉症 / ASD / 運動調整 / 協調運動 / 対人調整 / 個人間調整 / 運動発達支援 / 認知-運動 |
研究概要 |
本研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)児の運動調整と対人調整を取り上げ、運動面における「調整」機能が結果的に対人面に影響するものと仮定し、この関連性について実証することを目的とした。その結果をもとに自閉症児の対人調整を目的とした運動プログラムを開発することとした。 その目的を達成するため、まずは対人調整を必要とする課題におけるASD児の運動特徴を分析した(澤江,2011、澤江・中村,2011、澤江,2012など)。その結果、そもそも個体内で起こっている運動調整の特性が、従来、指摘されていたものとは異なる視点の必要性が指摘された。そこで私たちはASD児の「不器用さ」の特性をあらためて分析することを試みた(竹内・澤江・齊藤,2012、澤江・柄田,2013、澤江,2013、澤江・村上・杉山・土井畑,2013、澤江・藤井,2013、七木田・増田・澤江,2012など)。そこでは、投動作においてASD児の特異的な動きや運動学習方略が観察された。データ数の関係から、必ずしも定説的な特性を明らかにするまでには至らなかったものの、実際の支援に結びつく知見を得た。そこで私たちは、それらの知見を検証するための実践的取り組みを行った(村上・澤江・齊藤,2012、齊藤・澤江・松元,2013、齊藤・澤江,2013など)。 それらの結果、課題志向性アプローチを実施することで、物的環境に対する個人内の運動調整は可能であること、パフォーマンスとの因果を明確にしたKR(結果の知識)をもとにフィードバックすることで、運動への主体的取り組むがみられるなどの示唆を得た。その一方で、ASD児の認知-運動特性についてはさらなる検討が必要と考えられた。また対人運動調整の困難さは、いわゆる身体動作模倣場面で強く現れ、そこでも認知-運動の困難さが示唆された。
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