研究課題/領域番号 |
23500734
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤原 誠 愛媛大学, 教育学部, 教授 (00156928)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 総合運動部 / 子ども / スポーツ意識 |
研究概要 |
本研究は、小学校に設置されている総合運動部の実情を明らかにするとともに、総合運動部が真に子どもが求めるスポーツクラブとして機能するものなのか、子どもの立場から総合運動部のあり方を検討することにある。 そこで、小学校総合運動部の設置が進んでいる熊本市を研究対象地として設定した。熊本市で策定されている教育改革プログラム「くまもと輝きプラン」、熊本市教育委員会による「運動部活動の指針」等の資料を収集し、その中に示されている総合運動部への対応方針等を分析した。さらに現地(熊本市)を訪問し、教育委員会の担当者(指導主事)に面談し、熊本市の小学校における運動部活動の状況、また、総合運動部の設置状況について聞き取り調査を実施した。熊本市の各小学校には運動部が設置されており、校務分掌に基づき、全教員が運動部の担当となっている。総合運動部は50%を超える小学校に設置されており、多くの子どもたちが総合運動部で活動している。学校によっては、学校運動部に加えて地域スポーツクラブが併存しているところもあり、子どものスポーツクラブへの加入は多様となっている。このような状況の中で、総合運動部の現状やそこに参加する子どもの実態等を分析することにより、総合運動部のあり方が見えてくるものと思われる。 熊本市教育委員会の紹介により、総合運動部を設置している小学校二校を訪問し、校長、教頭、総合運動部担当教員に面談し、運動部の活動状況、総合運動部の設置経緯・活動状況等について聞き取り調査を行った。シーズンスポーツの実施から多種目実施の総合運動部の設置に至った事例について、また、練習は週2回程度、大会への参加も勝利志向性の高くない小体連主催のフレンドリー大会を中心としていることなど、さまざまな情報を入手することができた。 今後はこれらのことを参考にして、子どもを対象とした調査を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の対象地域が遠隔地のため、1回の現地聞き取り調査には3日程度の日程確保が必要となるが、そのスケジュール確保が極めて困難であった。そのため、当初の研究計画より、やや遅れた進捗状況となっている。 しかしながら、研究を進めるに当たっての必要不可欠となる情報については、資料収集、現地調査によって得られており、遅れている子どもを対象とした質問紙調査の作成も順次進めていくことになる。 それ以降については、当初の計画通り進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現地での聞き取り調査の日程を確保するなどして、さらなる情報収集に努め、子どもを対象とした質問紙調査の調査票作成を急ぎ、今年度中の調査実施を目指して取り組むこととする。 前回の現地訪問の際に、教育委員会ならびに訪問先小学校に質問紙調査の実施協力については依頼済みであり、研究計画を順調に進めることができるものと思う。 調査実施後はデータ処理を行い、分析に当たることになる。最終年度は、その取りまとめをする予定となっている。
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次年度の研究費の使用計画 |
聞き取り調査の実施および質問紙調査の依頼、調査票配布、調査票回収のため、24年度は現地を3~4回程度、訪問する予定となっている。そのための旅費支出が必要となる。 また、質問紙調査の作成に必要となる資料整理、原稿作成にともなう謝金の支出、ならびに調査票の印刷費の支出が予定される。さらに、調査票の配布・回収、データ処理についても当初計画(24年度)に計上している経費の支出が必要となる。 23年度使用予定であった予算の残額(次年度使用額)は、24年度使用予定額(当初計画額)と合わせて、24年度に使用する予定である。
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