研究課題/領域番号 |
23500737
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山津 幸司 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (90299579)
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研究分担者 |
熊谷 秋三 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80145193)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 身体活動 / 身体不活動 / 運動無関心 / 行動科学 / 運動心理学 / 縦断研究 / 加速度計 |
研究概要 |
本研究事業では、運動不足者(身体不活動者)や運動無関心者に対する研究を以下のように進めてきた。研究代表者の山津は、運動無関心者への効果的なアプローチ法を検討するための第一ステップとして、大学1年生約1000名の運動行動ステージの横断的なデータセットを整備した。次年度以降には、本コホート集団に対し定期的に追跡調査を実施する体制を構築した。運動無関心者は運動教室などの健康支援プログラムの募集の呼びかけをおこなっても反応しにくく、運動介入の対象とすることがきわめて難しい集団として、これまでの介入研究では研究対象になりえなかった集団である。本研究では、運動無関心者が運動への関心を高めるのに関連する要因を明らかにする縦断的な解析を進め、運動無関心者を減らすアプローチ法を明らかにしたい。次に、分担研究者の熊谷は、運動習慣とは独立して生活習慣病に関連すると報告されはじめている身体不活動に関する研究を進展させている。特に研究初年度の平成24年度には、地域在住高齢者約1000名および職域中高年者約1400名のベースラインデータを整備し、今後の追跡調査の体制を整えることができた。注目すべき点は、本コホート集団を用いながら、身体不活動の客観的かつ定量的な評価指標を確立すべく検討を進めていることである。今年度は客観性を重視し、3軸加速度計を用いた定量化の方法論を検討し、身体不活動とメボリックシンドローム危険因子やメンタルヘルス指標との因果関係の解明に向けた分析作業につなげる準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究1年目であるにもかかわらず、当初予定していたコホート集団のベースライン(大学生約1000名、職域中高年者約1400名、地域在住高齢者約1000名)の整備を進めることができ、今後の追跡調査の道筋を作ることができた。交付申請時の計画をほぼ達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目以降は、整備したコホート集団の追跡調査を実施していかなければならない。コホートの研究の質を大きく左右する追跡率を落とすことのないように、きめ細かな測定会の実施が不可欠である。また、得られた成果を即時に国内外で発表していきたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
コホート研究の質を落とさないために、今後は整備したコホート集団の追跡率を一定程度に袂必要がある。そのためにも、研究2年目の平成24年度は、測定者の質と量的側面の確保は不可欠であり、測定者雇用の人件費が最も要する費用である。また、コホート集団の横断的な解析結果や追跡調査後の成果を国内外の学会で公表していくための旅費を人件費に次ぐ費用と予定している。
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