研究課題
我々を含めた健康科学研究者は、運動などの健康行動の改善に関心の高い集団への介入法を確立させてきたが、運動行動の改善に関心を示さない運動不足者(身体不活動者)も全国民の約3割と多い。そこで、本研究では、身体不活動者や運動無関心者に対する研究を以下のように検討し進めてきた。まず、研究1では、運動行動変容ステージの前熟考ステージ(運動無関心)と関連する要因を明らかにするために、大学1年生566名を対象に質問紙を用いた横断調査を実施した。その結果、前熟考ステージの状態にある者は16.4%であり、ロジスティック回帰分析の結果、女性であること、総身体活動量・高強度の身体活動量・中等度の身体活動量が少ないほど、平日や休日の座位時間が長くなるほど前熟考ステージである可能性が高くなることが明らかとなった。次に、研究2では、研究1で前熟考ステージの状態にあった学生を6ヵ月後まで追跡した、前熟考ステージから脱し運動への関心を高めたり、運動開始に関連する要因の検討を行った。その結果、6ヵ月後に33.3%が前熟考ステージを脱していたこと、またロジスティック回帰分析の結果、ベースライン時の総身体活動量や歩行活動量が少ないものほど、運動系のサークルに所属したものほど前熟考ステージから脱する可能性が高まることが明らかとなった。最後に、研究3では、研究1の大学1年生を6ヵ月後まで追跡した結果、高強度の身体活動量が多い者ほど6ヵ月後のメンタルヘルス不良者は少ないことが明らかとなった。しかし、身体不活動とメンタルヘルス不良との関連性に有意差は認められなかった。以上の結果より、テレビ視聴時間などに代表される身体不活動は運動行動変容の意欲に関連性があること、身体不活動量が少ないものや運動系のサークルへの所属が運動への関心を高める可能性をもつことが考えられた。
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