幼児から成人を対象に落下してくるボールの捕球動作に関する重力認知の発達的影響とそのメカニズムの検討を行った。結果は、①捕球方略(動作開始時間、追跡速度)は、年齢の増加に伴い投射速度の影響を受けなくなる、②3種類の落下速度の一致タイミング課題に関しては、年齢の増加で自由落下の影響を受ける、③投射前後での頭部の動きに関して、幼児は成人に比べて投射後のボールの軌道の影響を受けている、④捕球方略((動作開始時間、追跡速度)は年齢の増加に伴って自由落下の重力1.0Gの影響を受ける、の4点が明らかになった。このことは、捕球動作の発達段階に応じて重力の内部モデルの影響を受けることを示唆している。
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