研究課題/領域番号 |
23500743
|
研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
前田 明 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40264543)
|
キーワード | スポーツ / 動体視力 / 疲労 / アントシアニン / パフォーマンス |
研究概要 |
ビルベリーやブルーベリーに多く含まれるアントシアニンは、網膜でのロトプシン再合成に活躍し、視機能が衰えず長い時間はっきりと見えることが、これまでの動物実験を含む研究で明らかになっている。このことからアントシアニンの摂取は、スポーツ活動中に疲労してきた際の視覚能力とスポーツパフォーマンスにも影響があるのではと考えた。そこで本研究はアントシアニンの摂取がスポーツ活動中の動体視力及びスポーツパフォーマンスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、今年度は、まず実験1において、アントシアニンの摂取が運動中の動体視力及びその他の視機能に及ぼす影響明らかにしようとした。 被検者を健常な成年男子10名とし、自転車エルゴメータを用いて、高強度(80%HRmax)運動を15分行い、その際、動体視力等の視機能検査を行った。被検者はアントシアニンの摂取条件、プラセボ条件の2種類で上記実験を行い、その際は検者、被検者ともどちらがどの条件かわからないダブルブラインド法で、日を変えて行った。 その結果、プラセボ条件下では運動に伴い、動体視力、深視力ともに低下していくのに対して、アントシアニン摂取条件下では心拍数が高くなっても、視機能が高いまま維持し、運動後15分後においては。両条件下にいずれも有意な差が認められた。これはスポーツ活動の後半に疲労が蓄積してきた時でも、動体視力、深視力などスポーツ活動に必要とされるスポーツビジョンの能力も高いまま維持することが初めて明らかになり、スポーツパフォーマンスの結果にも好影響が期待できるものと考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進んでいる。また今年度中に次年度の計画にある研究活動の一部を始めることもできたことからむしろ、計画よりも早めに進んでいると考えていいと考える。 この研究は、実験1でアントシアニンの摂取が動体視力等の視覚機能に及ぼす影響を明らかにすること、実験2としてアントシアニンの摂取がスポーツパフォーマンスに及ぼす影響について明らかにすることを目的としており、今年度は実験1を達成することとしている。実験1の研究結果は上記に示しているが、この研究で動体視力はもちろん、特に深視力にも好影響が現れたことから、実験2でのスポーツパフォーマンスを深視力が大きく関わるバスケットボールのフリースローで試してみることにつながる研究結果となった。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果では、アントシアニンの摂取が運動に伴い疲労してきた際の視覚機能に及ぼす影響が明らかとなったことから、合わせて、スポーツパフォーマンスとして、バスケットボールのフリースローの成功率にどのような影響があるか明らかにしていく。 被検者は大学バスケットボール選手10名とし、心拍数が通常(100b/min程度)条件と心拍数が高い条件(160b/min程度)においてフリースローの成功率を測定する。その際、アントシアニンを摂取した場合とプラセボで行った状態で比較することで、アントシアニンの摂取が心拍数が高くなった際のフリースロー成功率に及ぼす影響が明らかとなるものと考えられる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|