研究課題/領域番号 |
23500743
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
前田 明 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40264543)
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キーワード | アントシアニン / 疲労 / スポーツパフォーマンス / バスケットボール / シュート成功率 |
研究概要 |
これまでの研究で、ビルベリーエキス含有食品に含まれるアントシアニンは、身体疲労を伴う状況下においては、網膜のロトプシン再合成を助けることがわかっていることから、本研究では、ビルベリーエキス含有食品中に含まれるアントシアニンの摂取が、スポーツのパフォーマンスに影響を及ぼすか明らかにしようとした。スポーツパフォーマンスは、バスケットボールの試合中に発揮するパフォーマンスとし、シュート成功率、パス成功率、同様にミスについても注目した。バスケットボールの試合は、第1クウォーターから第4クウォーターまであり、第2クウォーターと第3クウォーターの間には10分の長い休憩があるが、第1クウォーターと第2クウォーターの間は2分間の短い休みしかないことから、第2クォーターと第4クウォーターでは身体的な疲労が重なり、特に第4クウォーターでは、心拍数が160拍/分以上になることも報告されている。このことから第2、第4クウォーターにおけるパスやシュートのミスが多くなりパフォーマンスが低下することもわかっている。 本研究では、ビルベリーエキス含有食品とプラセボを準備し、ダブルブラインドの条件でどちらを飲んだかわからないようにしてゲームに臨んだ。今回実験を行った大学バスケットボールのリーグ戦では同じチームと2試合行うことから、同様のチームと対戦する2試合において、被検者ごとランダムにビルベリーエキス含有食品、もしくはプラセボを摂取し、ゲームに出場した。 その結果、プラセボ摂取状態では、第4クウォーターにおいてシュート成功率、パス成功率ともに低下する傾向が認められたが、ビルベリーエキス含有食品の条件下では、第4クウォーターのシュート成功率、パス成功率ともに高いまま維持される傾向にあった。ビルベリー含有食品に含まれるアントシアニンを摂取することで、スポーツパフォーマンスにも好影響がある可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
バスケットボールチーム・選手の多大な協力により、昨年度大学リーグ戦での実験に協力してもらったことから、当初の計画よりも早くデータを取ることができた。そのおかげで、今年度は、さらにゲーム数を増やすなどの工夫を余裕をもって行うことができる。またその他、他の条件を設定するなどの本研究を裏付ける他の実験を加えることも可能となった。 得られたデータは、今年度早い時期から、学会、研究会にて発表することができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
上記にも記したように、バスケットボールチーム・選手の多大な協力により、当初の計画よりも早くデータを取ることができた。 そのおかげで、今後の研究推進に余裕ができ、さらにゲーム数を増やすなどの工夫を余裕をもって行うことができる。またその他、他の条件を設定するなどの本研究を裏付ける他の実験を加えることも可能となった。今回の研究では、バスケットボールのパフォーマンスに注目して実験を行うことができた。しかし、スポーツ活動において、後半に疲労を伴い、かつ視覚による判断が必要な球技種目、例えば、テニス、卓球、バドミントン、サッカー、ラグビーなどはバスケットボールと同様な効果を得られる可能性が考えられる。このような種目への影響についても広げていければと考えている。 少なくとも、得られたデータは、今年度早い時期から、学会、研究会にて発表することができると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度の使用額で、消耗品が予定よりも安価で購入できたことから、わずかずつの残額が残った。 わずかな額ではあるが、次年度の消耗品の購入に加算する予定である。
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