研究課題/領域番号 |
23500744
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
川西 正志 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (50177713)
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研究分担者 |
野川 春夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70208312)
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
北村 尚浩 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (70274868)
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キーワード | 子ども / 体力向上実践事業 / 子ども貯筋 / 運動介入 / QOL / PedsQLTM |
研究概要 |
本研究では「子どもの体力向上実践事業」実施済み地域の学校や総合型地域スポーツクラブにおける簡便な筋力トレーニングを中心とした運動実践プログラム(子ども貯筋運動)による子どものQOL への影響を明らかにすることを目的としている.本研究では歌に合わせて実施される運動介入プログラムとして4分間のスクワット運動に96回の貯筋子ども版に改良し,昨年度は鹿児島県W小学校の協力を得て実施し,今年度は,同地域の3つの小学校の協力を得て昨年同様の測定調査を実施した.本研究では体力面での評価とともに,運動実践の継続性を考慮し子どもの運動実践による「楽しさ」や「健康感」を中心としたトータルな社会心理学的評価としてのQOL評価を実施した.子どものQOL評価指標は,これまでほとんどなかったがVarniらが開発したPedsQLTM 指標(Pediatric Quality of Life Inventory)の小林・上別府(2010)による日本語版を利用した.今年度の研究はW小学校4年生から6年生の児童・保護者92名に事前にインフォームド・コンセントを実施した.運動プログラムの実践は2012年9月から11月にかけて,毎朝学校の始業前に自重型スクワットを週5日実施し,運動介入前後に体力測定とともに,所定の質問紙によるQOL調査を実施した.全体的な傾向からは,運動介入前後の比較から児童の評価では有意な差が見られなかったが,保護者側での評価では学校の総合得点で有意な改善効果がみられた.次年度は,昨年度の調査測定結果の2次分析を進め,さらに,調査地域へのフォローアップ調査を実施する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定の研究計画の小学校でのプロジェクト実施については,学校側の全面的な協力を得て全ての調査・測定が実施された.運動介入も学校を上げて実施され,地元教育委員会や学校教員の本研究への理解もあり,児童の取組みも積極性がみられた.QOL調査も,前後に児童と保護者において実施されたが,92名のうちコントロール群のサンプルが活発な集団であったため,介入群との差があまり顕著にみられなかった.しかしながら2年間での介入によるQOLの改善効果の検証レベルに十分な結果を得,今後の詳細な分析に耐えうる研究が実施できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年度のデータの分析を加え,学会発表や研究誌へのまとめを実施するとともに,調査対象小学校へのフォローアップ調査を実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の成果を学会発表のための旅費や学会誌への投稿をするための分析作業に伴うアルバイト謝金,さらには,今年度実施協力を依頼する協力校への研究打ち合わせ及び測定・実験に伴う研究旅費を主な使用計画としている.
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