研究課題/領域番号 |
23500745
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
舛本 直文 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (70145663)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / スポーツ哲学 / オリンピック研究 / 平和研究 / ユースオリンピック / オリンピック文化 / 文化・教育プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、ユースオリンピック大会(YOG)が掲げているスポーツ競技と文化・教育の融合およびオリンピックの価値や異文化理解の促進という目的とオリンピック競技大会(OG)の本大会が掲げているスポーツを通した心身の調和のとれた全人教育と平和な世界の構築への寄与という目的の連接性について、実際のYOG大会とOG大会を調査研究し、新しいオリンピック文化創造の可能性について検証することである。なかでも、YOGとOGの競技プログラムの相互作用効果、教育・文化プログラム(CEP)と平和運動に焦点を当て、その連接性を明らかにすることを主目的とする。 平成23年度は、2010年シンガポールYOGの報告書およびIOCのデータを元に、2010-2016の間に開催際されるYOG、OGの4大会の全般的な計画概要を調査分析した。特に、2010シンガポールYOGの分析結果は平和運動の不十分さと参加者のアウトリーチプログラム不足の現実を明らかにした。さらに、2012年1月に開催されたYOGインスブルック冬季大会の事前調査および期間中の現地調査を主として行った。YOGの平和・教育プログラムおよびCEP情報等の入手・分析を行った結果、両プログラムの効果と限界が明らかにされた。特にCEPでは環境や平和運動への取り組みの不十分生が示唆された。また、日本チームの事前準備教育不足の課題が浮き彫りにされた。2012年ロンドン大会(OG)の事前資料収集と分析を継続して実施しているが、国際聖火リレーの中止に見るような平和運動の不十分さとYOGのCEP等の新規プログラムとの効果的な連携については未だ連携の途上にあると言わざるを得ない。OGIというオリンピックの影響要因の指標化によってYOGおよびOGのポジティブなレガシーとネガティブなインパクトの研究も実施されているが、YOGでのレガシー研究の遅れが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の当初の研究計画は以下の通りであった:2010シンガポールYOGの報告書およびIOCの各データを元に、YOG、OGの4大会の全般的な計画概要を調査分析する。特に、2012年1月に開催されるYOGインスブルック冬季大会の事前調査、期間中の現地調査を主として行う。(1)4月~ 8月:2010シンガポールYOG報告書分析・IOCの各データ分析 (2)9月~10月:研究フレームやシンガポールYOGの分析結果の学会報告 (3)9月~12月:2012インスブルック冬季YOG大会の平和・教育プログラム・CEP情報等の入手・分析 (4)9月~ 2月:2012ロンドンOG大会の事前資料収集・分析を行う。(5)1月~ 2月:インスブルック冬季YOGの事前教育プロとYOG大会期間中の調査を行う。以上の研究計画が順調に進んでいるため、「順調な進展」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度:2012インスブルッグ冬季YOG大会の分析・まとめ、2012年ロンドンOG大会の事前調査・現地調査を行う。(1)2012年インスブルック冬季YOG大会のデータ分析・まとめ、波及効果追跡研究を行う。(2)2012年ロンドンOG大会の事前調査・現地調査・データ分析を行う。(3)2014年ソチ冬季OG大会の前年度として事前資料の収集・分析を行う。(4)2012年インスブルック冬季YOG大会の研究成果を国際オリンピックシンポジウムで公表する。(5)2012年IOCオリンピックと文化・教育フォーラムに参加して、YOG・OGの情報収集を行う。平成25年度:2012年ロンドン大会の分析・まとめ、2014年ソチ冬季OG大会の事前調査・現地調査を行う。(1)2012年ロンドンOG大会のまとめ、波及効果追跡研究を行う。(2)2014年ソチ冬季OG大会の資料収集・事前調査・現地調査を行う。(3)2014年南京YOG大会の事前資料の収集・分析を行う。(4)2012年ロンドンOG大会の研究成果のまとめを国際学会で公表する。平成26年度:2014年ソチ冬季YOG大会の分析と・まとめ、2014年南京YOG大会の事前調査・現地調査を行う。また、研究成果の総括的まとめ・国際学会発表に向けて準備を進める。(1)2014年ソチ冬季YOG大会のデータ分析・まとめ、波及効果追跡研究を行う。(2)2014年南京YOG大会の事前調査・現地調査・まとめを行う。(3)2014年南京YOG大会のデータ分析・まとめを行い、研究全体の総括を行う。(4)2014年ソチ冬季YOG大会の研究成果のまとめを国際オリンピックシンポジウムで公表する。(5)2014年IOCオリンピックと文化・教育フォーラムに参加して、YOG・OGの情報収集を行う。(6)本申請研究全体の総括後、その研究成果を国際学会で発表するための準備を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費: 70000円(メディア類、トナー等)旅 費: 900000円(国内学会旅費:150000円、外国調査旅費:750000円)謝金等: 100000円(研究補助:70000円、専門的知識の提供:30000円)その他: 100000円(大会チケット等:100000円)合 計:1170000円特にロンドンオリンピック大会の情報収集がかさむことおよびIOCの国際会議への参加のための経費が必要とされる。
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