研究課題/領域番号 |
23500749
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研究機関 | 札幌国際大学 |
研究代表者 |
林 恒宏 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 講師 (40458146)
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研究分担者 |
村田 真一 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 講師 (20435093)
阿南 浩司 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 講師 (00553851)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | スポーツマネジメント教育 / カリキュラム開発 / 教師研究 / 養成教育 / 現職教育 / トライアンギュレーション |
研究概要 |
平成23年度は、スポーツマネジメント教育の現状把握と次年度以降の調査対象大学選定を兼ねた定量調査が主題であった。具体的には、大学・現場・学生の3つの観点からスポーツマネジメント教育を実践している大学(筆者調べにより計49大学)に対して質問紙調査を実施するための文献研究を行った。大学側観点では「カリキュラム数とその配列」「専門教員数と教員のキャリアパスについて」、学生側観点では「学生資質・入学経緯」「マネジメント学に対するモチベーション」、現場側観点では「インターンシップ制度の実情」である。また調査対象大学については、「体育・スポーツ系」、「経営系I(学部学科レベルにて位置付かせている大学)」、「経営系II(コースレベルにて位置付かせている大学)」の差異を意識し、さらには設置年数に配慮した分析。考察をおこなった。 研究体制については以下の通りである。「(1)大学側観点(カリキュラム・教師)」については、村田真一(札幌国際大学)が担当した。担当者はスポーツ経営学の中でもスポーツ組織論(マネジャー・リーダーシップ論)を専門とする研究者であり、本観点の課題担当に特に精通している。次に「(2)学生側観点」については阿南浩司(札幌国際大学)が担当する。担当者はコーチング論の研究者であり、近年、フォロワー・ビルディングに関する研究を始動していることから、本観点の課題達成には適任であると考えた。さいごに「(3)現場側観点」については、研究代表者である林恒宏(札幌国際大学)が担当した。担当者は過去にスポーツ企業現場での職務経験があり業界とのネットワークが特に緊密であることから役割を担った。また、研究分担者・協力者の研究会組織を統括し、その運営も担った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、経営系、スポーツマネジメント系、経営学教育系関連の書籍をベースに研究会を重ね、大学に対する質問し作成業務に入っている。また、プロスポーツチーム(パ・リーグ3球団)と限定出来ではあるが、球団スタッフに対するインタビュー調査を行うなど現場側に対するアプローチも計画通り行っている。 今後、各大学から収集したカリキュラムの分析や球団からヒヤリングをおこなった内容のテキストマイニングなど、質的分析の精度を高めていく必要があるが、ほぼ計画通り進んでいる。 3ヵ年の計画から達成度を考えると、4割の進捗であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、各学系の中から特徴的な大学を事例選定し(各学系につき2大学×3)、前年度の調査結果を基に質的調査へと移行していく。従って研究者間のピア・ディスカッションを多く設ける必要があることから主担当を2名制にして実施する(表参照)。特に注力する点は、カリキュラム開発の起点となる教師自身や教師同士について認識レベルから追求すること、そして3者間の関連性を明らかにすること-特に「大学側(カリキュラム・教師問題)」と「現場側」とのネットワーク分析-が重要となる。従って採用される研究法は、半構造化面接法、デルファイ法、また資料や自由記述文書を解釈・整理するためのテキストマイニング法である。また「学生側」の課題について、卒業学生のマネジメント教育に対する認識変容を辿る視点を追加する(現職教育の加味)。これは、スポーツマネジメント専門職の力量形成過程を体系的に解明することに寄与するし、学生ニーズと現場ニーズの関連性について課題提供していく上では重要な研究視点となる。このような追跡調査の好例は既に、教師研究において導入が試みられており一定の成果を得ている(山崎2002)。 平成25年度は、仕上げの時期となる。年度当初の研究会において調査不足している点を確認・修正し、補強のための事例調査について検討を加える。そして、分担者個別の課題について報告書原案をまとめ、代表者を中心にその整合性を調整し、最終報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、事例調査が主題となる。東京での2回の研究会に必要となる旅費の他に、調査依頼を含めた実地調査費(一人200,000円)を多額に見込んでいる。平成25年度は、研究の最終年度であり報告書印刷費(200,000円)が必要となる。また、前年度実施した調査結果を基に報告書作成に向けた東京での研究会を2回開催する。そのための旅費、成果発表のための旅費等が必要となる。また、調査結果の再確認や補強のために、事後の事例調査を実施する予定であり、そのための調査費 (一人100,000円)が必要となる。
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