研究課題/領域番号 |
23500751
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研究機関 | 国際武道大学 |
研究代表者 |
谷口 有子 国際武道大学, 体育学部, 教授 (80217140)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 脳・神経 / トレーニング科学 / 反応時間 / 筋力 / 特異性 |
研究概要 |
今年度は、これまで用いていた筋力・反応時間測定装置の一部に、手作りで応急的な部分があったものを、より正確なデータを収集し、実験のスムーズな遂行を期すために改良を加えた。また、データ整理の能率を上げるために、統計ソフトのバージョンアップを行った。 これらの実験準備のために時間を要したものの、新しい実験システムの確立に尽力し、これまで以上に実験が遂行しやすくなり、被験者にも快適な状態で研究に参加してもらえる環境を整えることができた。現在は、新しい実験システムの検証のための予備実験データを整理している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、これまで用いていた筋力・反応時間測定装置の一部に、手作りで応急的な部分があったものを、より正確なデータを収集し、実験のスムーズな遂行を期すために改良を加えた。また、データ整理の能率を上げるために、統計ソフトのバージョンアップを行った。 これらの実験準備のために時間を要したものの、新しい実験システムの確立に尽力し、これまで以上に実験が遂行しやすくなり、被験者にも快適な状態で研究に参加してもらえる環境を整えることができた。現在は、新しい実験システムの検証のための予備実験データを整理している最中である。 これらの作業に時間を要したため、研究の進行状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で用いてきたトレーニングと同様の条件下で脳波を記録し、反応時間に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムを検討する。両側トレーニング群、一側トレーニング群、対照群、各6名に、視覚刺激に対して、できるだけすばやく示指外転の等尺性筋力を発揮する単純反応時間課題を、5回×3セット、週3日、6週間、両側トレーニング群は両手同時に、一側トレーニング群は片手ずつトレーニングする。対照群はトレーニングを行わない。トレーニング開始前、3週後、6週後に脳波、筋電図反応時間の測定を行う。両側同時、一側左、一側右の条件別に、トレーニングによる反応時間の変化および両側性指数(BI)の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。脳波を、各電極別、各条件別に加算平均し、振幅を計測する。トレーニングによる振幅の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。反応刺激から筋放電開始までの潜時(premotor time)、筋放電量を計測する。等尺性筋力の立ち上がり潜時と筋放電の潜時との差からmotor timeを求める。これらの測定値の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。BIの変化と、脳波の振幅、および筋放電量の変化との関係を解析する。さらに、上記の反応時間課題と同様の研究デザインを用いて、筋力発揮時に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムも検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
トレーニングによる反応時間・筋力の変化およびBIの増減とトレーニングの種類との関係を検討する。記録した脳波を、各電極別、各条件別に加算平均し、その振幅を計測する。トレーニングによる振幅の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。筋電図を各条件別に整流して積分し、筋放電量を計測する。トレーニングによる筋放電量の増減とトレーニングの種類との関係を検討する。BIの変化と、脳波の振幅および筋放電量の変化との関係を解析する(物品費:実験遂行に必要な消耗品およびデータ解析に必要なソフトのバージョンアップまたは購入費)。 これらの結果と先行研究論文の知見を総合し、「トレーニングによるbilateral deficitの特異的修飾」に大脳皮質レベルのメカニズムである「注意の分散」や「大脳半球間抑制」がどのように関与しているかを総合的に考察し、国内外の学会において研究成果の発表を行う(旅費)。
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