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2012 年度 実施状況報告書

国内一流棒高跳選手のパフォーマンスに影響を与える質的要因と量的要因の関係

研究課題

研究課題/領域番号 23500756
研究機関日本大学

研究代表者

青山 清英  日本大学, 文理学部, 教授 (20297758)

キーワードトライアンギュレーション / コーチング学 / 解釈学的考察
研究概要

平成24年度の研究目的は、23年度と同様に選手の自己観察、コーチの他者観察、バイオメカニクスの3つの分析方法から、選手の技術的な運動問題を検討すると共にそれらの関係性について検討することであった。さらにこれに加えて、バイオメカニクスデータについて、選手、コーチによる解釈学的考察を試みた。
今年度の分析結果から、昨年度と同様に運動問題の発生は、主に助走局面での運動抑制現象に由来するものであることが確認された。助走局面の運動問題は、選手とコーチの運動感覚的な観察結果からは、助走の「流れ」といった助走全体に関する全体印象において把握されていた。また、踏切準備時のポールプランティングにおける身体各部の使い方にも運動問題の発生兆候が確認された。
助走局面についてバイオメカニクスの観点から分析を行った結果、成功試技と失敗試技では、ポール角度に大きな差異が認められた。具体的には、助走開始時から3~4歩に及び突っ込み・踏切局面おいてポールの保持角度で差異が認められた。この結果は、跳躍の正否に対して、助走の開始局面と突っ込み・踏切局面がバイオメカニクス観点からみた場合、パフォーマンスに対して大きな影響を与えていることを示しているといえる。
以上のことから、選手の自己観察とコーチの他者観察という主観的情報では、助走全体が運動抑制現象の把握局面として観察対象となっていたが、バイオメカニクス的分析からは助走の初期と終末の局面で運動問題の把握が行われていたといえる。
最後に、バイオメカニクスデータの解釈学的考察として、選手とコーチのやりとりの中で、助走においてポールをキャリーする際に、「ポールの重さを感じないようにする」という技術的ポイントに対して、助走初期と終末におけるデータの差異は、助走構成上有益な視点を与えていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究は、研究課題もほぼ順調に達成することができ概ね順調に行えたと評価できる。ただ、測定を行った試技の多くが完全な跳躍とならなかった試技も多く見られ、測定回数の割には良好なデータの数が少なかった。しかし、全体としては研究は順調に進んだといえる。

今後の研究の推進方策

平成24年度は研究計画書にも示してあるとおり、平成23・24年度の研究を継続して進めると共に、研究成果をまとめていきたい。また、平成24年度末より取り組んでいる技術的な新しい課題があるので、それらの内容が平成23・24年度の研究結果とどような差異を示すかについても注目していきたい。これらの研究進展のためには、昨年度のように不完全な跳躍の分析では無く、完全な跳躍の分析が可能となるように選手と頻繁に連絡をとりながら研究を進める必要がある。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、研究の推進のためにバイオメカニクス的分析のための人件費や表消耗品等に使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 棒高跳の踏切における下肢各部の貢献度に関する事例的研究2012

    • 著者名/発表者名
      中平翔太, 澤野大地, 青山清英
    • 学会等名
      日本陸上競技学会
    • 発表場所
      国際武道大学
    • 年月日
      2012-12-15

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公開日: 2014-07-24  

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