研究課題/領域番号 |
23500762
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
佐藤 馨 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ科学部, 准教授 (50326592)
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キーワード | 社会心理 / 余暇志向 / スポーツ / ジェンダー |
研究概要 |
本研究は、女性を余暇に対する意識・考え方(志向)をいくつかに分類し、「Constraint Negotiation概念」(Julie,2008:Daniel,2007)を用いて余暇志向別に余暇実現のための社会的調整力や交渉力を評価し、それとスポーツ活動との関連を検討することを目的としている。 平成24年度は平成23年度に作成した調査票の配付および回収を行なった。調査票は、①個人の余暇に対する考え方(余暇志向性)、②日常におけるスポーツの実施状況、③家族を含めた周囲の人々に対する説明・説得能力、すなわち個人のスポーツ活動実現に向けた調整力・交渉力の評価、④スポーツ活動をする際の阻害要因、⑤フェイスシート(性別、年齢、結婚の有無、家族構成、末子の年齢、スポーツ活動費、余暇活動費)、以上の項目によって構成されている。 調査対象は、滋賀県栗東市に在住する20歳以上の男女4,000名とし、それら対象者は無作為に抽出した。調査票は郵送法を用いて配付・回収を行ない、調査時期は平成25年3月2日~4月15日に渡って行なった。調査票回収後、データの入力を行ない、回収率は約3割である。データ入力後はデータのクリーニング作業を経て分析を行なっており、現在、平成25年度の結果公表に向け、分析中である。 本研究の意義・重要性は、スポーツ活動を社会的調整力・交渉力との関連から明らかにした研究は国内では殆ど見られず、さらにその対象を女性に限定した研究で言えば国内外を問わず皆無という点があげられる。また本研究により、わが国において心理的制約に阻まれスポーツに接近できない女性に対して、個々の状況にあったスポーツの提案を可能にする。すなわち、このことが潜在的な女性の生涯スポーツ実施者を掘り起こし、女性のスポーツ実施率を押し上げる契機になる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度 (1)調査票の配布および回収:申請時の計画では調査期間を日常的なスポーツ活動を調査するため、長期休暇を除いた10月に調査を実施する予定であった。しかしながら、4,000名もの調査対象者の住所一覧の入手方法や無作為抽出の方法について調査地である自治体との交渉に予想以上の時間を有した。そのため平成24年度末の実施に計画を変更せざる得なかった。 (2)調査データの入力:先の通り調査時期が遅れたため調査データの入力作業も時期も遅れざる得なかったが、入力作業それ自体は概ね順調に進んだと言える。入力に際しては作業補助を使いながら実施したが、その際情報漏えいに細心の注意を払うため、①データ入力は決められた場所で作業を行ない、②データは決まった記録装置(フラッシュメモリ)に保存した。調査対象者の住所一覧については、調査実施後、直ちに調査地である自治体に返却した。 (3)調査データの分析および検討:(2)調査データの入力と同様、調査時期が予定より遅れたため調査データの分析および検討作業も遅れた。現在、入力済みのデータを用いて分析を行なっている最中である。また、平成25年度の研究成果公表に向け、データ分析と共にその検討を随時行なっている。 平成24年度の研究計画において計画通りに進行しなかった最大の理由は、調査地である自治体との交渉に時間を要したことである。その交渉内容とは調査対象者の住所録の入手方法や無作為抽出方法に関するものであった。自治体は調査をすることには協力的であったが、計画を遂行する際に必要な手続き(書類作成等)が予想を上回る量であったことが計画を遅らせた原因と言える。今後は、こうした手続きの煩雑さを考慮に入れ、調査計画を立てる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
<平成25年度> (1)研究結果の公表:研究結果を公表するため、国内外の学会、レジャー学会や日本体育学会等において研究発表を行ない、研究情報の提供および情報の交換を図る。学会発表後にそれを論文としてまとめ、学会誌あるいは紀要に投稿する。 (2)調査地への報告書の作成および提出:研究代表者は、調査地に対して本研究で得られた情報を報告書にまとめ、提出する。報告書提出に際し、本研究の分析結果に加え、調査地である自治体のスポーツ振興に寄与する形式にデータを再加工し、施策提案に利用できるよう努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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