研究課題/領域番号 |
23500766
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
田島 誠 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (70330644)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 漸減要約フィードバック / 知覚-運動スキル学習 / 保持期間 |
研究概要 |
本研究は知覚-運動スキル学習に対する漸減要約フィードバックの長期間の保持効果について最初に明らかにした上で、若年者と高齢者の学習過程の違いについて検討する予定であった。しかしながら、平成23年度ではさまざまな問題により、学術研究助成基金助成金の採択決定および支払時期の遅延が生じたため、本研究の実験計画として設定した経時的変化を検証するための実験の開始時期が遅れ、十分な実験を実施することができなかった。そこで、限定された実験結果ではあるが、これまでに得られた結果について述べる。 平成23年度に実施した実験として、被験者数は少なく、習得-保持期間は短かったが、ある一定の効果として、大学生の知覚-運動スキル学習に対して、従来の漸減要約フィードバックと同様の高い学習効果が認められた。この結果から、若年者の知覚-運動スキル学習に対する漸減要約フィードバックの効果について、高い再現性が示された。他方、高齢者の知覚-運動スキル学習に対する漸減要約フィードバックの効果については、先行研究(田島,2007)では若年者ほど高い学習効果は認められず、むしろ即時フィードバックよりも低い学習効果しか示されなかった。そのため、漸減要約フィードバックの学習効果が年齢によって大きく影響を受けることが予測されるが、長期間の保持期間を設定した実験での検証は行われていないため、その点の検証が今後の課題である。 また、漸減要約フィードバックの高い学習効果の理由が、フィードバック情報の「提示タイミングの遅延」と「漸減的提示」にあることをこれまで明らかにしてきたが、本実験はこれらの点についても再検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成23年度では、東日本大震災や学術研究助成の基金化法案の決議遅延等の問題により、学術研究助成基金助成金の採択決定および支払時期が遅れたため、実験を開始する時期が大幅に遅れてしまった。 特に、本研究の実験計画として設定した経時的変化を検証するための実験については、十分な保持期間の設定が必要であるため、実験開始時期の遅れによって十分な実験を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度では、平成23年度に設定できなかった長期間の保持期間(最大1年)を設定した実験を6月から実施する。特に、各被験者に対して、「1日後」、「1週間後」、「1ヶ月後」、「3ヶ月後」、「1年後」に保持テストを実施し、漸減要約フィードバックの長期間の学習効果について検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度では新たに必要な実験機器を購入する期間が足りなかったため、平成23年度の研究費の備品購入費はほとんど手つかずのままであるため、平成24年度では5月中に必要な実験機器を購入し、6月からの実験に備える予定である。 また、本実験の際には2~3名の学生に実験補助を依頼しなければならないが、無償での実験補助を強要することなく、学生の任意による実験補助とし、実験補助の労力・時間に対して適正な謝金(\1,000/時間)を支払う予定である。
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