研究課題/領域番号 |
23500775
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 榮一 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (30187710)
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研究分担者 |
長谷川 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (90361906)
小屋 俊之 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90444158)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 運動誘発性喘息 / 気道傷害 / 吸入ステロイド / 低温負荷 / 血管増殖因子 |
研究概要 |
実験動物としてBalb/c系マウスを使用した。運動負荷に関しては、マウスの強制運動測定器をColumbus Instruments社のマウス用トレッドミルを利用した。これを使って、週5日のプログラムで運動するプロトコールを作成した。1日あたりの運動時間・運動量はビルドアップ方式として、以前の報告(Am J Respir Crit Care Med 2007;175:442)を参考に設定した。 現在のところ運動負荷による気道過敏性の亢進の現象は認められている。しかし以前の報告(Am J Respir Crit Care Med 2007;175:442)のような気道傷害の確証は得られておらず、そのほかの要因によるものも視野にいれて解析しているところである。組織学的解析に関しても、運動負荷・非負荷群の明らかな違いは見いだせておらず、現在別の視点から解析を検討している段階である。 そのほかの肺内のサイトカインやケモカインの解析は暫時行う予定で、サンプルを集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冬季種目における喘息患者の増加に着目して、マウスに低温負荷を行い、解析する予定であったが、当施設の問題から、実験の場所として使用することが現時点で困難なことがあり、代替の場所を探している点が、予想とやや遅れている点である。しかし実験自体は着実に進行しており、実験場所さえ、解決できれば、問題はないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まず引き続き、昨年度の計画の残りを遂行するとともに、習慣的運動の影響として、抗原特異的な気管支喘息モデルに運動を加えることによる影響を解析する。モデルとして、卵白アルブミン(OVA)を抗原としたモデルを候補としている。このモデルの解析には実績があること、モデルとして一般的であることが選定の理由である。その他にも日本人のアレルギー性気管支喘息の最大原因抗原とされるダニ抗原喘息モデルも考慮される。また機序の解明のためいくつかのプロトコールを解析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
アスリート集団の解析において、アレルギー性疾患(特に鼻炎)の有病率が高い印象があり、運動自体がアレルゲンへの感作を修飾している可能性があると考えられる。そこで、通常の感作・暴露モデルだけでなく、通常喘息としてのフェノタイプに至らない少量の抗原を頻回暴露に運動を組み合わせることによって、喘息の病態に発展できるか注目している。さらに有酸素運動の至適運動量とされる50%VO2maxの運動の反復群とアスリートレベルと考えられる比較的強度の高い80%VO2maxの運動の反復群での反応の相違を検討する。なおマウスの運動強度に関しては、以前の報告を参考にする (J Immunol 2004; 172: 4520)(Am J Respir Cell Mol Biol 2010; 42: 243)。
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