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2012 年度 実施状況報告書

マウスを用いた運動誘発性気管支喘息モデルの作成とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 23500775
研究機関新潟大学

研究代表者

鈴木 榮一  新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (30187710)

研究分担者 長谷川 隆志  新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (90361906)
小屋 俊之  新潟大学, 医歯学系, 助教 (90444158)
キーワード運動誘発性喘息 / 気道傷害 / 吸入ステロイド / 低温負荷 / 血管増殖因子
研究概要

運動選手集団は一般集団に比較して、気管支喘息の罹患率が高いことが知られている。運動に伴う気管支収縮反応や気道炎症に及ぼす影響は、依然不明な点が多く、運動誘発性喘息(Exercise Induced Asthma : EIA, あるいは呼吸機能の変化からExercise Induced Bronchoconstriction : EIB)のメカニズムの解明は、今後の効率の良い診断、さらには治療に大きく寄与すると考えられる。
実験動物としてBalb/c系マウスを使用した。運動負荷に関しては、マウスの強制運動測定器をColumbus Instruments社のマウス用トレッドミルを利用した。これを使って、週5日のプログラムで運動するプロトコールを作成した。1日あたりの運動時間・運動量はビルドアップ方式として、以前の報告(Am J Respir Crit Care Med 2007;175:442)を参考に設定した。
現在のところ運動負荷による気道過敏性の亢進の現象は認められている。しかし気道傷害の確証は得られておらず、そのほかの要因によるものも視野にいれて解析しているところである。組織学的解析に関しても、運動負荷・非負荷群の明らかな違いは見いだせておらず、現在別の視点から解析を検討している段階である。
そのほかの肺内のサイトカインやケモカインの解析では現時点で気道過敏性に関与すると考えられているサイトカインでの明らかな変化はなく、模索している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究での以下の点を明らかにすることを目的とした。①運動そのものに対する気道傷害の関与。特に運動強度や温度・湿度との関係。さらに運動そのものにより、メサコリンに対する気道過敏性は亢進するのか?またそのメカニズムは?②アレルギー性気道炎症(いわゆるアトピー型気管支喘息)は、運動によって増悪するのか?またそのメカニズムは?③運動によって起こった気道傷害は不可逆的なのか。運動をやめても永続的に傷害は残存するのか?
現時点では、運動そのものによってメサコリンに対する気道過敏性を亢進することはつかめたが、そのメカニズムが確認できていない。また冬季種目における喘息患者の増加に着目して、マウスに低温負荷を行い、解析する予定であったが、当施設の問題から、実験の場所として使用することが現時点で困難である。
また現時点では、既存のアレルギー性気道炎症(卵白アルブミンモデル)を改善させたり、増悪させたりするデータは得られていない。

今後の研究の推進方策

アスリート集団の解析において、アレルギー性疾患(特に鼻炎)の有病率が高い印象があり、運動自体がアレルゲンへの感作を修飾している可能性があると考えられる。そこで、通常の感作・暴露モデルだけでなく、少量の抗原を頻回暴露に運動を組み合わせることによって、喘息の病態に発展できるか注目している。さらに有酸素運動の至適運動量とされる50%VO2maxの運動の反復群とアスリートレベルと考えられる比較的強度の高い80%VO2maxの運動の反復群での反応の相違を検討する。なおマウスの運動強度に関しては、以前の報告を参考にする (J Immunol 2004; 172: 4520)(Am J Respir Cell Mol Biol 2010; 42: 243)。

次年度の研究費の使用計画

昨年度の計画の残りを遂行するとともに、日本人のアレルギー性気管支喘息の最大原因抗原とされるダニ抗原喘息モデルを使用して、運動負荷と組み合わせることを予定している。また機序の解明のためいくつかのプロトコールを解析する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 当科において診断したアスリート喘息患者の解析2012

    • 著者名/発表者名
      小屋俊之ら
    • 学会等名
      第23回臨床スポーツ医学会学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20121103-20121104

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公開日: 2014-07-24  

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