研究課題
当該年度は、研究成果をまとめ、国際雑誌への投稿・掲載および国際学会発表を積極的に行なった。1)プロトコールの最適化、2)個体差要因の分析、4)ガイドライン作成:血流制限を併用したレジスタンス・トレーニングの至適プロトコールの概要と学術的背景を総説として公表した。平均的には血流制限を施行することで、最大筋力の30%の負荷強度で、通常方法の65%強度と同等の効果が得られるが、性差(女性における効果の劣性の問題)を含む個体差(低反応例)を考慮すると、40%までを調節幅とすることで、十分な効果が得られることを確認した。3)ミオカインの意義の探求:脳性神経栄養因子(BDNF)の血中濃度が年齢依存性に低下すること、高次身体活動により増加することを公表した。また心不全患者において重症度と関連してBDNFが低下していることも明らかにした。これは、BDNFが心不全患者のバイオマーカーになり得る可能性を示す知見である。また動物モデルを用いての基礎研究も新薬開発(BDNF作動薬)を視野に継続中である。5)若年者への応用:ジャンプスクワット・トレーニングに血流制限を応用した介入研究を行なったが、本法の優位性は認められなかった。ジャンプなどの緻密な動作には、神経系の制御が重要であるが、血流制限を併用すると神経制御が有効に機能しなくなる可能性が示唆された。精密動作の能力向上に本法を応用する場合は、十分検討される必要がある。6)血流制限を併用したトレーニング手技の応用:本法は、基本的に複数セットで施行し、血流制限は運動時のみならず運動休止時にも継続して行なうが、血流制限の継続は、被験者によっては苦痛を伴い、また血圧も上昇しやすい。血流制限を断続的に施行すれば、苦痛や血圧上昇が軽減可能と考えられるが、有効性は低下する懸念がある。研究の発展として、間欠的に(特に非運動時)血流制限を施行する方法の有効性を検証した。
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