本研究は、自然発症高血圧ラット(SHR)をモデルに、運動トレーニングによる安静時血圧改善のメカニズムを組織のニトロ化タンパク質に着目した生化学的な側面および血管の弛緩能力の測定による組織学的な側面から検討しようとするものである。SHRに10週間の自発運動トレーニングを行わせ、組織のニトロ化タンパク質および血管の弛緩能力を検討した。懸濁液のP2分画においては3-ニトロチロシン濃度の減少傾向が認められたが、優位なレベルには至っておらず、再検討が必要であると思われる。胸部大動脈の物理的弾性要素は、運動トレーニングで向上する傾向が認められたが、血管弛緩機能などのさらなる検討が必要である。
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