研究課題/領域番号 |
23500790
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
野田 美保子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (50142881)
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研究分担者 |
木田 和幸 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60106846)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 日常生活活動水準 / 高齢者 / 移動能力 / 健康増進 / 介護予防 / 心拍数 |
研究概要 |
高齢者にとって心身の健康増進や介護予防のために,できる限り日常生活活動を高い水準に保ち,廃用性の機能低下を防ぐことが重要である。それゆえ彼らの日常生活活動水準を把握する必要がある。本研究の目的は,歩行自立から寝たきりに至る種々の移動能力レベルにある高齢者を対象とする日常生活活動水準の横断的研究,及び障害や疾病等により歩行自立から車椅子に変わるような移動能力の変化に伴う日常生活活動水準の変動を追跡する縦断的研究に適応可能な活動水準評価法を開発することである。 移動能力に依存することなく日常生活の活動水準を比較する方法として、我々は「総心拍増加 (Total Excess-Beats Product)法:TEBP法」を提案しているが、そのTEBP法の実施のためにこれまでの研究で用いた24時間心拍記録計(Vine社製)よりも対象者の心身の負担が比較的少ない状態で心拍数及び体動を測定できるActiHR(Mini Mitter社製)の使用を試みることが本研究の重要な課題である。 3年間の研究期間中1年目には,移動能力の異なる高齢者に対してActiHRを用いてパイロット研究を行い,ActiHRを用いたTEBP法を検討することを目標に掲げた。パイロット研究の対象は65歳以上の高齢者15名(歩行群、車椅子駆動群,車椅子介助群,各5名)とした。しかし23年度はそのパイロット研究実施に先駆けて、新たに用いるActiHRの特性を把握すること、研究者自身がActiHRを装着してデータを取り解析処理をしてActiHRの使用方法に習熟すること、およびActiHR関連の文献を収集し内容を検討することに時間を費やした。その間にActiHR販売業者と頻回に意見交換を行い、より良い使用方法等を模索することを通して今後の研究遂行の準備状態を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,研究初年度である23年度中に移動能力の異なる高齢者に対してActiHRを用いてパイロット研究を行い,ActiHRを用いたTEBP法を検討することを目標に掲げていた。パイロット研究の対象は65歳以上の高齢者15名(歩行群、車椅子駆動群,車椅子介助群,各5名)の予定であった。 しかし23年度はそのパイロット研究実施に先駆けて、新たに購入したActiHRの特性を把握すること、研究者らがActiHRの取扱いに習熟すること、およびActiHR関連の文献を収集し内容を検討することにほとんどの時間を費やすという状況であった。 使用する測定機器を用意し,それらの使用方法に慣れるということに関してはある程度準備状態が整いつつあるが、23年度中にパイロット研究として対象者に依頼してのデータ収集に着手できなかったという状況は反省すべきであると考える。 以上のことから「研究の目的」の達成度を「やや遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は23年度に実施できなかったパイロット研究を行い、ActiHRを用いたTEBP法の臨床的実践の可能性を検討した上で、活動水準の横断的測定に着手する。 また最終年度である25年度には,横断的測定のデータに加えて,活動水準の縦断的測定のデータを収集し、その結果に基づいてActiHRを用いたTEBP法の臨床応用的な利用の可能性を検討する。縦断的研究としては,高齢者15名の被験者に対して3カ月ごとに測定を行うものとする。 これらの結果をまとめて関連学会等で発表し、論文を完成させ,関連雑誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に必要な機器に関しては、当初予定していたノートパソコン以外のActiHR関連機器はほとんど23年度に既に購入済みである。 しかしパイロット研究に着手できなかったため,データ収集の際に必要となる携帯用ノートパソコンの購入、及び被験者や研究助手への研究補助費、研究支援者雇用費等の謝金の支払いがなされておらず次年度への持ち越しとなった。 したがって次年度は,ノートパソコンの購入の他、測定に必要な電極等の消耗品、及び研究補助費、研究支援者雇用費等の謝金、調査研究旅費等が主な使用内容となる。
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