研究課題
本研究課題では,岩手県北地域コホート研究を基礎資料とし,地理データを追加したデータベースを用いて,岩手県山間地域の地理(標高)と身体活動量・肥満との関係を解析し,さらに山間住民の実態に即した肥満・生活体力低下の改善に資する健康教育プログラムの開発を目指することを目的としている。2011年度の解析では,居住地標高によりBMIは男性では標高が高いほど小さく,女性では逆に標高が高いほど大きかった。また,標高が高いほど座位時間は男女とも少ないが,歩行時間は男性に多く,女性は少ない傾向にあった。特に女性において居住地の標高が身体活動量に影響していることが示唆された。2012年度では,足趾機能トレーニングは室内で簡単にできる運動メニューであることから,足趾機能とバランス能力との関連を検討した。足趾把持力および足趾挟力と片足立ちには中程度の正の相関関係が認められた。2013年度では,下肢運動機能とバランス能について検討した。膝伸展筋力と開眼片足立ちおよびファンクショナルリーチテスト(FRT)には正の相関が認められたが、足趾機能とバランス能の関連は認められなかった。そこで,49名の高齢者を対象に室内で簡単にできる「スクワット運動」と「足趾体操(グー・パー体操)」の運動プログラムの介入を3ヶ月実施し,下肢筋力とバランス能への効果を検討した。その結果,「スクワット運動」のみ群(26名)ではFRTに向上が認められ,「スクワット運動」と「足趾体操」群(23名)では膝伸展に向上が認められた。肥満の予防・改善には身体活動量の増加が重要であるが,屋内で実施できる運動プログラムも重要と考えられる。今回,検討した「スクワット運動」および「足趾体操」は有効な運動プログラムの一つとして考えられた。しかし,今回の解析では対照群の設定がなく,さらなる検討が必要である。
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