学校におけるメンタルヘルス・リテラシー(知識・理解等)を調べるために、一般高校生を対象とする質問紙調査の項目について、詳細に検討し作成した。インターネットを活用して、全国の高校生・男女各250名を対象にその質問紙調査を実施した。 質問紙の内容は、つぎのとおりである。典型的な精神疾患である「うつ病」のビネット(模擬症例)を提示し、それに関して病名、援助行動等についてたずねた。研究協力者の心理状態を測定するために“CES-D”(うつ病(抑うつ状態)自己評価尺度)、気分障害・不安障害のスクリーニング“K6”、性格特性の「ビッグファイブ」を評定するために“TIPI-J”、家族機能を測定するために“FACEⅢ”を用いた。さらに、専門家援助に対する態度を測定するため“ATSPPH-SF”、セルフスティグマ(自己)を測定するため“SSOSH”、パブリックスティグマ(公的)を測定するため“日本語版Linkスティグマ尺度”を用いた。 研究成果として、メンタルヘルス・リテラシーを高めることは、精神疾患へのスティグマ(烙印・偏見)が低減し、自らの悩みについては、専門家等へ相談することに対する抵抗感も減じる可能性があることが明らかとなった。
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