研究課題
大学生においては、10年以上前から自殺が死因の一位を占めている。大学生の自殺予防を促進することは焦眉の急を要する課題である。家族や友人の死で苦しむ“遺された人”のポストベンションに留意したプログラムで自殺予防教育を施行すること、および、友人の自殺の危険に気づいて支援できるピアサポーターとしての関わりのできる若者を養成して自殺者を減らす結果に導くことが本研究の目的である。研究に使うことを説明し同意を得た学生に対して自己記入式質問紙調査にて、自殺念慮を含むうつ状態等のメンタルヘルス、自殺に関する知識、考え方、行動についての実態、“遺された人”である可能性などについて調べた。また,レクチャーの前後に自殺についての知識が身についたか、友人の危険に気づいて適切な援助を勧めることでの自己効力感を得られたか、ピアサポーティブに接することを理解しているかについての自己記入式質問紙調査を行い,統計的に検討したところ,概ね教育効果が認められた。自殺念慮の経験の有無に注目して検討したところ,自殺念慮の経験の有るグループでは教育効果は有意とは言えなかった。1回目レクチャーの後では,負の効果が認められるものもあったが,2回目の後,さらにその後と,教育を継続することで効果がみられる傾向があった。身近な人が自殺した経験がある“遺された人”であるかどうかに注目したところ,概ね教育効果が有意であったが,そうでない項目も認められた。さらにレクチャーの工夫が必要である。また,地震被害,原発事故による放射線被害をうけた地域であることから,メンタルヘルスへの影響を考慮して,PTSDを含めた不安症状,身体症状,うつ状態等についての内容を詳しく説明し,その効果についても検討した。
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第35回メンタルヘルス研究会報告書
巻: 35 ページ: 36-51
Differentiation. Biosci Biotechnol Biochem. in press.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Campus Health
巻: 51(1) ページ: 465-467